今回は、上値支持線、上値抵抗線を使った売買ポイントの見極め方について見ていきます。※本連載は、株式アナリストとして知られる秋津学氏の著書、『勝率9割5分を目指す 株価チャート黄金練習帳』(毎日新聞出版)の中から一部を抜粋し、株式投資で勝つためのチャート分析のポイントを具体的にご紹介します。

上値・下値を確認してラインを引くとポイントが見える

●練習問題①

下値支持線および上値抵抗線を引くことで、売買ポイントを見つけてください。実戦で出会うチャートはイレギュラーが多々あり、わかりやすい局面から順に見つけましょう。

 

[図表1]

 

<解答①>

「ここ」と丸円で囲んだ位置が、売買エントリーのポイントです。値幅があまり取れないブレークもありますが、上値・下値を確認してラインを引くとわかりやすいです。

 

 

 

●練習問題②

ブレークをしたN字型・逆N字型のパターンがいくつか、以下のチャートに含まれています。どこにそれがあるのか、指摘してみてください。

 

[図表2]

 

<解答②>

4か所のブレークアップのN字型と、1か所のブレークダウンの逆N字型を描けそうですが、これらを使ってうまく売り買いができるとは必ずしも思えません。とにかくここでは型を学びましょう。

 

 

●練習問題③

動平均のないキッコーマンの日足チャートです。横線を描いて、ボックス圏を指摘してみてください。

 

[図表3]

 

<解答③>

2月から3月まで小ボックス、2月から8月上旬までの大ボックス、そして、8月上旬から9月末までの小ボックスを描けます。この大ボックス内に二重天井があります。

 

押し目と下げ、戻しと上げを区別するには?

<イチ押し戦術③>押し目と下げ、戻しと上げ

 

押し目と下げ、戻しと上げ押し目と下げをどんなふうに区別しますか。

 

①大陰線ではない、②出来高が減少、③原則「暴騰3日待て」から反発して3日待て、4日目なら下げと判断する。連番をつけて、覚えておいてください。さらにひとつ付け加えるとしたら、④15日移動平均線を「割らない」こと、です。

 

これと逆のケース。つまり戻りと上げをどんなふうに区別しますか。①大陽線ではない、②出来高が減少、③大陽線は3日待て、4日目も陽線なら上げと判断する。加えて④15日線を越えない、という条件も満たすこと。

 

押し目・下げ、戻し・上げの微妙な区別ができるようになると、「押し目だと思って買ったが、本格的に下げて行ってしまった!」とか「戻りだと思って新規空売りしたが、本格的に上げて行ってしまった」という失敗が少なくなるはずです。

 

実践で出会うチャートは、モデル的なものは出現せず、たいていは練習問題のテーマと異なる崩れた形で現れますので、しっかり見抜く練習は必要です。判断の手がかりは、横線、斜め線などラインの引き方です。

 

例えばN字・逆N字を見つける課題では、文字の形を強く意識して、白地チャートを鉛筆でなぞることをやってみましょう。また、ボックスの見つけ方では、チャート全体がボックスであった、という意外性にも気づく柔軟性も磨きたいものです。

 

実際に、チャートを印刷してみて、鉛筆でなぞってモデルさがしをしてみることも理解の早道になるでしょう。

勝率9割5分を目指す 株価チャート黄金練習帳

勝率9割5分を目指す 株価チャート黄金練習帳

秋津 学

毎日新聞出版

株価チャートによる儲け原理は、株をできるだけ安値で買って、高値で売る、ということに尽きます。そのために、チャートが示唆する売買シグナルや株情報、市場の地合い、企業業績などで判断します。そして、配当やファイナンス…

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