実戦ではなかなかモデル通りの形態は出てこないが・・・
●練習問題④
実戦で出会う足の組み合わせは必ずしもモデル通りの形態ではありません。この三川は、買いか、売りか、様子見か。つまり「宵の明星」でしょうか。
[図表1]
<解答④>
三川の3番目が大きな陰線で、大きく5日線を割っておれば「宵の明星」か。丸円Aは小陰線の3連で迫力欠いて似非「黒三兵」と読める。丸円Bは「陽・陰のつつみ線」。丸Cは「明けの明星」でしょう。
●練習問題⑤
チャートの中に追撃買いのシグナル「上げ三法」と追撃売りのシグナル「下げ三法」がひとつずつあります。指摘してみてください。
[図表2]
<解答⑤>
かなり細かいローソク足の連なりの中から、設問テーマのシグナルを見つけるのはかなり難事だったでしょう。四角Aが「下げ三法」、四角Bが「上げ三法」です。
●練習問題⑥
真正「赤三兵」「黒三兵」を見つけるのは難しいものです。とにかくチャートに陰陽の三連線を□で囲ってみて、真偽を問うてみてください。
[図表3]
<解答⑥>
11個の3連線がありますが、Eがやや赤三兵的で、他は26週線上で出現したり、26週線下なのに、出来高が伴わず不発に。黒三兵も中途半端で、Dが準黒三兵か。この3線目が小陰線なら真正だったでしょうか。
[図表4]
株価チャートを読む際に心掛けたい4つのポイント
<イチ押し戦術②>
株価チャートとは何か、チャートで何を見て、どんな技を考え儲けるのでしょう。その重要なエッセンスは、①トレンド、②勢い、③トレーダーの心理(自分を含め)と言えるでしょう。この3つを知るために私たちが学ぶのが技なのです。
後ほど学習する一目均衡表、オシレーター、波動のパターンなどの戦術は、この3つを見極めるための補助的技と言えます。具体的には、根幹となる技は、①ブレーク法、②移動平均線法(波動)、③グランビルの法則の3つです。
こうしたことを踏まえて、株価チャートを読む場合に心掛けることは、チャートは①動く、これは時間の経過を意味し、日数を経るので波動が生まれ、パターンがつくられます、②時間軸、これはトレードのスタンスに影響し、チャートでは日中足(分足)、日足、週足、月足という具合にデイトレ、日マタギ、スイングトレード、中期投資、長期投資というふうに投資スタイルを分けます、③売買シグナル、チャートの役割はチャートの中に売買シグナルを示すことですし、一方意地の悪い局面では、惑わしシグナルもつくり、④プライス・アクション法でローソク足の意味づけを行う技を駆使することになります。
この4点の心構を常に意識すれば、チャートをサクサクと理解できるようになれます。
3本ローソク足の組み合わせが「どこに出現したか」
3本ローソク足の組み合わせで、もっとも大事なことは、その組み合わせが、どこに出現したか、です。安値圏か高値圏か、中位圏に出現するかによって、シグナルの意味が有効だったり有効でなかったりします。また市場全体の勢いにも影響を受けます。
GMOの「宵の明星」シグナルの不発は、形態は一致していたものの、トレンド反転のための条件が弱かったようです。
上げ下げの「三法」は、いったん押し目・戻し後に当初のトレンドを進むという点で、勢いの矢印(↑か↓か)に着目すると、理解できるでしょう。「赤三兵」「黒三兵」は、高値圏か安値圏に出現したかどうかを問いますから、移動平均乖離(移動平均線と株価のへだたり)率の高い位置で、このシグナルを見つけてエントリー成功率を高めたいものです。