ゴミ屋敷状態でも…最短3週間で手放せる「買取」という選択
多忙な事業家であるC氏は、遠方にある亡き両親の自宅を相続しました。室内には大量の家具や生活用品が残されており、整理に割く時間はありませんでした。
不動産会社(仲介)に相談したところ、家財の撤去と大掛かりな補修を求められ、売却を始めるまでに数百万円の費用と数ヵ月もの準備が必要だと告げられました。そこでC氏は、専門業者が直接買い取る「買取サービス」を選び、契約からわずか3週間ですべての荷物を残したまま手放す道を選びました。
不動産の売却方法には、市場で個人の買い手を探す「仲介」と、専門業者が自ら買い取る「買取」の2通りがあります。仲介は市場価格に近い高値で売れる期待がある一方、いつ売れるか分からないというリスクを抱えます。さらに、引き渡し後に雨漏りや設備の故障が見つかれば、売主が補修費用を請求される「契約不適合責任」のリスクも残ります。
これに対し、「買取」には実務上の大きな強みがあります。最大の特徴は、室内の家財道具や伸び放題の庭木をそのまま残した「現状渡し」ができる点です。国土交通省の調査でも、空き家の処分が進まない主な理由として「家財・遺品の片付けの手間」が常に上位を占めています。
専門業者が買い取る場合、片付けやリフォームは業者の再販事業の一環として行われるため、売主が前もって多額の費用や労力をかける必要がありません。また、事業者が買主となる取引では、売主の契約不適合責任が免責されるケースが一般的です。
売却後に建物の欠陥を理由に損害賠償を請求される心配がない点は、相続人にとって最大の安心材料です。査定から決済までの期間も短く、数週間から1ヵ月程度で確実な現金化が完了します。
ただし、買取にも留意すべき点があります。不動産会社は再販を前提として仕入れるため、売却価格は一般的な市場相場の5〜8割程度に落ち着くのが一般的です。また、接道義務を満たしておらず建て替えができない「再建築不可物件」や、著しく需要の低いエリアの物件などは、買取を断られるケースも。
そのため、「少しでも高く売りたい」と考えるなら時間はかかっても仲介を選び、「多少価格が下がっても、手間・維持費・将来のリスクを今すぐゼロにしたい」と割り切るなら買取を選ぶ――というように、自身の優先順位に応じた使い分けが肝要です。
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