ポイ活が本末転倒にならないための注意点
総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1ヵ月当たりの消費支出は平均26万3,979円。このうち食料への支出は約7万9,000円です。
佐々木さん夫婦の食費・酒代は月11万円を超えていたため、平均的な高齢夫婦世帯と比較しても、かなり大きな負担になっていたことがわかります。
食費にいくら使うべきかは、収入や資産、本人の価値観によって異なりますし、食事を楽しむことが生きがいであれば、そこにお金を使うこと自体は決して悪いことではないでしょう。問題は、本人たちが支出の大きさを理解せず、むしろムダづかいはしていないと思い込んでいた点です。
たとえば、夫婦二人で1食1,000円を使えば、3食で1日3,000円。30日で9万円になります。これに飲み物やお菓子などを加えれば、月10万円を超えるのは容易です。
日常の食事のほとんどをコンビニで済ませる生活と、スーパーでまとめ買いをして自炊を取り入れる生活では、支出に大きな差が生まれることもあります。たとえば、月11万円の食費を8万円に抑えられれば年間36万円の支出削減、5年間では180万円もの差です。
ポイント還元で得られる利益だけでなく、買い物にかかる費用全体を比較する必要があります。また、年金生活に入ってからも家計全体の収支を確認していなかったことは見過ごせません。
なんの支出を毎月いくら使っているのか、収入に対してバランスは取れているのか、そして何歳のときにいくら資産を残し、余裕を持っていられるのか、これらを考えることが重要です。なににいくらお金を使うかを把握することで、カードやポイントも自分に合った最適なものを選ぶことができるでしょう。
ポイントやマイルは、生活を豊かにするための便利な手段です。クレジットカードもポイントやマイルを高い還元率で貯められるカードもありますが、年会費と併せて本当に有利なのかはよく検討して選ぶ必要があります。
佐々木さん夫婦のように、ポイントをマイルに交換して旅行に使うことを楽しみにしている人もたくさんいます。日常生活の支出で自然にポイントが貯まり、それを旅行などに活用するのであれば家計にとってプラスになりますが、ポイントを貯めること自体が目的になり、必要以上に買い物をしたり、割高な商品を選んだりしてしまっては本末転倒です。
ポイントやマイルを上手に活用するには自分の家計管理ができていることが前提ですので、ライフスタイルを充実させるための仕組みに振り回され、ムダに支出を増やしてしまわないよう注意が必要ですね。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
【注目のセミナー情報】
【資産形成】11月5日(木)※明日開催
富裕層のための「資産防衛と運用」
相続を見据えた「資産の守り方・育て方」のコツ
【資産運用】11月14日(土)
米国株で「10倍株(テンバガー)」を狙うには?
最新AIを活用した「銘柄発掘・分析」のノウハウ
【資産戦略】11月25日(水)
約30年ぶりの大金利変動の今しかつかめない?
新たな「お宝保険」の全貌


