(※写真はイメージです/PIXTA)

東京都心部や大阪市の中古タワーマンション市場で、これまでの価格上昇トレンドに明らかな変化の兆しが現れています。2026年3月から9月までの7ヵ月間の流通データを分析すると、長らく高止まりを続けていた平均価格は落ち着きを見せ、特に東京23区では前年割れが常態化してきました。追加利上げに伴う金利上昇への警戒感が広がるなか、大都市圏における高価格帯住宅の取引動向と今後の市場への影響を、客観的なデータから読み解きます。

中古タワマン価格、下落傾向が顕著に

2026年の首都圏および近畿圏の中古タワーマンション市場は、長期にわたる価格上昇局面を経て明確な転換点を迎えました。不動産情報会社の調査によると、東京23区における2026年3月の中古タワーマンション(70㎡換算・築20年以内)の平均価格は2億747万円でした。

 

しかし、4月には2億628万円へと微減し、5月には1億9,923万円と2億円の大台を割り込みました。下落基調は夏場以降も止まらず、7月に1億9,122万円(前年同月比マイナス5.9%)、9月には1億8,287万円(同マイナス12.8%、前月比マイナス5.2%)へと下落ペースが加速。3月からのわずか半年余りで平均価格は2,460万円低下し、価格調整局面への突入を鮮明にしています。

東京23区:2億円割れから前年割れの定着へ

月次推移を詳細に辿ると、下落は段階的に進んできたことが分かります。3月時点では前年同月比プラス9.9%を維持していたものの、千代田区や港区などの都心主要部ではすでに前月比での下落が始まっていました。

 

4月には23区全体で前月比マイナス0.6%となり、10区で値下がりを記録。5月には下落が15区へ拡大し、6月には前年同月比マイナス4.5%と前年割れが定着しました。7〜8月こそ1億9,100万〜1億9,200万円台で一時的な踊り場を迎えたものの、9月には流通戸数が1,261戸へ積み上がるなか、18区で前月比下落となり、下落幅も前月比マイナス5.2%まで広がっています。

大阪市:前年比プラスを維持も、単月ベースで下落が頻発

一方、大阪市の中古タワーマンション市場は東京23区と異なる推移を見せています。2026年3月の平均価格は1億2,917万円で、前年同月比プラス24.1%と大幅な上昇を記録しました。その後も5月がプラス23.3%、7月がプラス14.1%と、前年同月比ベースでは一貫して高水準を維持しています。

 

ただし、前月比の短期的な値動きには不安定さが目立ちます。4月に前月比マイナス3.4%、6月にマイナス7.8%、9月にもマイナス5.5%と下落する月が相次ぎました。中心地である北区の流通価格のブレが市全体の平均を押し下げており、高値圏での手探りな価格模索が続いています。

エリアごとの価格格差と都心部の息切れ

行政区ごとの価格格差も極めて大きい状況です。東京23区では千代田区や渋谷区が3億円を超える水準を維持してきました。9月実績では最高値の渋谷区(3億384万円)と最安値の葛飾区(8,440万円)の間に3.5倍以上の開きが生じています。大阪市も同様で、9月時点でトップの北区(1億4,406万円)に対し、住之江区は3,503万円にとどまりました。

 

高額エリアでは一部の希少物件が平均値を引き上げる側面があるものの、足元では都心中心部でも前月比下落が目立ち始めており、相場を牽引してきた超高価格帯の需要にも息切れ感がうかがえます。

 

次ページ住宅ローン金利の先高感と、実需層の購買力限界

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧