在米日本人も要注意…親からの送金にも報告義務が生じる場合
今回の事例は、納税者が意図的に所得を隠したという問題だけでは説明できません。税務の専門家に相談していた納税者が報告漏れを指摘され、ペナルティを課されたうえ、いったん還付された金額についても、政府機関同士の権限をめぐる争いに巻き込まれることになりました。
フォーブスの報道が示しているのは、米国の税務制度では、税金を支払う義務の有無だけでなく、情報を報告する義務や、行政機関と司法機関の権限関係についても理解しておく必要があるという点です。訴訟に発展した場合には、納税者が想定していなかった形で問題が長期化するおそれもあります。
こうした制度上の問題が今後どのように整理されるかは注目されるところですが、米国に居住する日本人にとっても、決して他人事ではありません。
例えば、米国に留学している子どもが、日本に住む親から生活費や学費などの支援を受ける場合です。米国の税務上の居住者などが、外国人から年間10万ドルを超える一定の贈与や相続を受けた場合、Form3520の提出が必要になることがあります。具体的な適用関係は、受け取った財産の種類や状況などによって確認する必要があります。
日本では、贈与を受けた側が贈与税を負担する仕組みが基本となっています。一方、米国では贈与者側に課税される制度であっても、受け取った側に別途、報告義務が課される場合があります。この違いを理解せず、日本の感覚で手続きを判断すると、思わぬペナルティにつながりかねません。
米国に居住する日本人や、その家族から海外送金を受ける人は、課税の有無だけで判断せず、報告義務の有無も確認することが重要です。必要に応じて、米国の国際税務に詳しい専門家に相談し、Form3520の提出要件を事前に確認しておきたいところです。
奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表
ゴールドオンライン・エクスクルーシブ倶楽部が
主催する「資産家」のためのセミナー・イベント
【11月5日(木)開催】
オーナー必見!「賃料増額」請求の最新事情
争点になるのは?【弁護士が解説】
【11月10日(火)開催】
「よくある相続の悩み」
遺産分割はどうする?相続や調停にかかる費用は?
弁護士が相続の悩みや疑問点を解消!遺産分割のポイントまで解説
【11月11日(水)開催】
不動産投資家もNISAをやるべき?
「増やす資産」と「残す資産」は違う
不動産・金融資産・生命保険で考える相続ポートフォリオ
【弁護士の視点で解説】
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

