(※写真はイメージです/PIXTA)

子育て世代にとって教育費の無償化は朗報ですが、無償化の対象は授業料に限られています。そのため、昨今の物価高も相まって、授業料以外にかかる習い事や塾代といった費用は依然として子育て世帯の家計に重くのしかかっています。こうしたなか、家計にゆとりのある親世代が子や孫へ資金援助を行うケースも珍しくありません。しかし、差し伸べた手が、思わぬ家族の亀裂を生んでしまうことも。本記事では合同会社ミコサポ代表の三藤桂子FPが、Aさんの事例から親子間におけるお金の支援と適切な距離感について考えます。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。

息子からの最終通告

Aさんの「自分の年金から孫に援助しているのだから、孫にはそれなりの学校に行ってほしい」と願う気持ちも理解できるかもしれません。ですが、孫が顔を見せなくなっても、Aさんの口出しは止まりませんでした。孫の進路や塾選び、家庭の方針にまで意見を述べてくるのです。その結果、孫だけでなく息子の妻もAさんから遠ざかっていきます。

 

たまりかねた息子は「子どもの進路は塾の先生と家で話し合っているから、過度に口出ししないでほしい」とAさんに懇願します。

 

しかし、Aさんは「あなたたちのために身銭を切っているのに、その言い方はなんなの」と態度を軟化させず、かえって小言をエスカレートさせてしまいました。

 

毎月の訪問のたびに小言を浴びせられたAさんの息子はついに堪忍袋の緒が切れます。

 

「そこまで干渉してくるなら、もう毎月の5万円はいらない」

 

怒りを露わにした息子は、そのまま実家を飛び出していきます。

援助する側とされる側、それぞれの想い

物価の上昇に伴い、現役世代の給与も上がりつつありますが、多くの世帯では、賃金の上昇が物価の上昇に追い付いていないのが現状でしょう。そのため、親が子や孫に資金援助をするケースが増えています。

 

しかし、援助する側に「有効に使ってほしい」「出した分だけ見返り(成果や発言権)が欲しい」といった気持ちが芽生えると、子や孫に過干渉になってしまうこともあるようです。

 

一方で、援助を受ける子世帯にも、尊重したい生活方針や子どもの希望があります。「助けてもらえるのはありがたいが、家庭内の決定権まで奪われたくない」と感じるのは自然でしょう。

 

援助する側とされる側の距離感に溝ができてしまうのは、なんのための援助なのかわからなくなってしまい、本末転倒です。お互いが歩み寄りできる関係を築くべきと考えます。

 

〈参考〉

文部科学省:高校生等への修学支援

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm

文部科学省:高等教育の修学支援新制度

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/

 

 

 

三藤 桂子

合同会社ミコサポ

代表

 

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