息子からの最終通告
Aさんの「自分の年金から孫に援助しているのだから、孫にはそれなりの学校に行ってほしい」と願う気持ちも理解できるかもしれません。ですが、孫が顔を見せなくなっても、Aさんの口出しは止まりませんでした。孫の進路や塾選び、家庭の方針にまで意見を述べてくるのです。その結果、孫だけでなく息子の妻もAさんから遠ざかっていきます。
たまりかねた息子は「子どもの進路は塾の先生と家で話し合っているから、過度に口出ししないでほしい」とAさんに懇願します。
しかし、Aさんは「あなたたちのために身銭を切っているのに、その言い方はなんなの」と態度を軟化させず、かえって小言をエスカレートさせてしまいました。
毎月の訪問のたびに小言を浴びせられたAさんの息子はついに堪忍袋の緒が切れます。
「そこまで干渉してくるなら、もう毎月の5万円はいらない」
怒りを露わにした息子は、そのまま実家を飛び出していきます。
援助する側とされる側、それぞれの想い
物価の上昇に伴い、現役世代の給与も上がりつつありますが、多くの世帯では、賃金の上昇が物価の上昇に追い付いていないのが現状でしょう。そのため、親が子や孫に資金援助をするケースが増えています。
しかし、援助する側に「有効に使ってほしい」「出した分だけ見返り(成果や発言権)が欲しい」といった気持ちが芽生えると、子や孫に過干渉になってしまうこともあるようです。
一方で、援助を受ける子世帯にも、尊重したい生活方針や子どもの希望があります。「助けてもらえるのはありがたいが、家庭内の決定権まで奪われたくない」と感じるのは自然でしょう。
援助する側とされる側の距離感に溝ができてしまうのは、なんのための援助なのかわからなくなってしまい、本末転倒です。お互いが歩み寄りできる関係を築くべきと考えます。
〈参考〉
文部科学省:高校生等への修学支援
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm
文部科学省:高等教育の修学支援新制度
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/
三藤 桂子
合同会社ミコサポ
代表
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