犯人探しよりも優先すべき「責任の所在」の可視化
およそ5億円に及ぶ損害を個人に全額被せることは法律上不可能に近いという現実を突きつけられ、社長は自らの甘さを痛感しました。
今回の損失の一次的な責任は最終決裁を下した社長自身にあるとし、個人の人生を破滅させるような報復的請求は行わず、役員報酬の無給化とAさんの降格・減給処分を決定。
妥当な範囲内での一部損害賠償請求にとどめ、二度と同じ過ちを繰り返さないよう、必ず法務担当や外部専門家のクロスチェックが入る強固な決裁システムの構築に乗り出したのでした。
今回の事例のように、特定の社員への過度な依存や確認不足は、会社に思わぬ損失をもたらすリスクがあります。これを機に属人的な業務フローを見直し、組織全体で客観的なチェック機能を持たせることが、企業にとって重要な教訓になると言えるでしょう。
内海 正人
社会保険労務士法人日本中央社会保険労務士事務所 代表社員
社会保険労務士/人事コンサルタント
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