一棟アパート…利回り低下が加速、関西・信州北陸は前年比20%超の上昇
一棟アパート市場も活発な取引が継続しています。全国平均価格は9,151万円(前月比0.39%増、前年同月比5.29%増)と過去最高値に迫り、それに伴って平均利回りは過去最低の7.87%まで落ち込みました。
エリア別では、首都圏全体(前月比0.12%増、前年同月比3.76%増)に対し、東京23区(前月比1.12%増、前年同月比9.38%増)の強さが目立ちます。
地方圏の価格上昇も顕著です。東海(7,193万円)、関西(9,544万円)、九州・沖縄(6,715万円)の3地域が直近1年間の最高値を更新しました。
前年同月比で見ると、信州・北陸が20.22%増、関西が24.81%増と大幅に上昇しています。その結果、利回り面では信州・北陸で前年同月比1.29ポイント低下したほか、東海(0.83ポイント低下)、東北(0.78ポイント低下)、関西(0.68ポイント低下)など、価格高騰の反動による利回り悪化が各地へ波及しました。
区分マンション…高値圏維持も、地域ごとの明暗が分かれる
区分マンションの全国平均価格は2,989万円となりました。過去最高値だった前月の3,001万円からは0.40%の微減となったものの、前年同月比では20.04%増と依然として高い伸び率を保っています。全国平均利回りは6.62%(前月比0.01ポイント増、前年同月比0.07ポイント減)と、ほぼ横ばいでの推移です。
首都圏の平均価格は前月比0.38%減、前年同月比18.35%増でした。
地域別の月次推移では、北海道(7.56%増)や信州・北陸(8.41%増)が堅調に推移した一方、東海(8.13%減)や中国・四国(9.70%減)は下落に転じました。前年同月比でも首都圏(18.35%増)や関西(6.10%増)がプラスを維持する半面、中国・四国は16.11%減と沈み、地域間での価格差やばらつきが広がっています。
投資判断の分水嶺…エリア選別の時代へ
今回のデータは、収益不動産市場が「全国的な一律上昇」を終え、価格と利回りのバランスを見極める「エリア選別」の局面に突入したことを示しています。首都圏の上昇一服と地方中核都市の急伸は、投資家がより現実的なインカムゲインを求めて投資対象地を再編している動きの表れといえます。
相場が過熱するエリアと調整に入るエリアが混在するなか、表面的な価格だけでなく、地域ごとの実質利回りや賃貸需要の推移を客観的な数値で把握することが、今後の資産運用において一段と重要になります。

