銀行からの融資提案書に「落とし穴」が・・・
ある企業の銀行交渉でのことです。
銀行からの融資提案書には、個人保証と担保をいただきます、と書かれていました。
企業の交渉担当役員は、こう言いました。
「あのぉ、個人保証と担保のことですけれど、今、金融庁の方針では、どうなっていましたっけ・・・。」
当然、企業からの申し出があれば、外す対応をしなければならない、との新たなガイドラインを、知っていて質問しているわけです。
すると銀行の担当者は、ちょっと慌てた様子で、“あ、まあ、提案書には、形式上、書かせてもらっていますので、個人保証と担保は、無しの方向で、対応させていただきます。”との返答だったそうです。
形式上とはいうものの、こちらから何も言わず、要望していなければ、個人保証も、担保も、有り、ということです。
これが、銀行交渉の落とし穴です。とりあえず、銀行側に有利なことを、すべて書いてあるのです。
結局は、借りる側が、知っているか、知らないか、言うか、言わないか、ということになってくるのです。
銀行交渉は「仕入れ交渉」と同じ
そういうと、
“いやぁ、銀行にどこまで強い態度で出ていいのか、悩むんですよぉ・・・。”
と、おっしゃる方が、いまだにおられます。
まだどこかに、借りれなくなったらどうしよう、という思いがあるのです。
銀行交渉は、要望を出し合い、協議する場です。仕入れ交渉と同じなのです。
要望が通る場合もあれば、ダメな場合もあります。しかし、要望しなければ、通るはずもないのです。
ましてや、“そんな要望を出す企業には貸さない!”などと言える銀行は、今やありません。みな、貸したくて仕方がないのです。
こちらの要望は、伝えるべきなのです。で、交渉の場数を踏んでほしいのです。すると、別人のように、変わっていきますよ。