今回は、経営者は通常2年で異動してしまう銀行支店長と付き合いの中で、何を優先すべきかを説明します。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

支店長がいなくなればチャラになる!?

ある銀行の元頭取の言葉です。
〝今はもう、支店長職は2年で異動ですし、2店舗経験すれば、それ以上はないですよ〟


そうなのです。支店長は、2年で変わってゆくのです。
〝いやいや、それでも、前任支店長とのおつきあいなど、後任の方に引き継がれるでしょう。〟

 

と、おっしゃる経営者がいます。

 

その元頭取いわく、
〝約2000社の取引先の引き継ぎなんて、どだい細かくできませんよ。〟
とのことです。

 

そりゃあそうです。その経営者がどのような人物で、どのようなおつきあいをしてきたか、なんて、そんな記録情報はないし、口頭で伝えることのできるレベルでは、ないのです。

 

つまり、いくら支店長との付き合いが、銀行との付き合いに影響する、といっても、しょせんは2年間の話し、なのです。

 

その支店長がいなくなれば、チャラなのです。

格付けがよくなるよう決算書を磨く

しかし、企業は、その支店とは、その銀行支店がある限り、一生の付き合いに、なります。そうです、支店とは一生の付き合い、支店長とは2年の付き合い、なのです。

 

ならば、2年間のおつきあいに振り回されたり、時間や交際費を注ぐよりも、単純に、格付けがよくなるよう、決算書を磨いてほしいのです。

 

借入金を減らす、金利を下げる、

といったことに、プラスになるような、決算書に近づけていってほしいのです。

 

加えて、異動される支店長は、自分の次のことしか考えていません。
自分の後を担う支店長に、不利なことがないように、などといった、配慮など、ありません。

 

だから、自分の成績が良くなることなら異動前に、成績が悪くなることなら異動後に、処理をしたいわけです。

 

この心理も、支店と一生の付き合いをする会社側としては、おさえておきたいところなのです。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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