食料品の消費税減税、財源をどうする? 約8,000億円の減税を支えた「連結納税制度」導入時の財源確保策

食料品の消費税減税、財源をどうする? 約8,000億円の減税を支えた「連結納税制度」導入時の財源確保策
(※写真はイメージです/PIXTA)

食料品の消費税減税をめぐり、国会で焦点となるのが「減税分の財源をどう確保するのか」という問題です。過去にも、減税効果を伴う大きな税制改革が行われた際、財政当局はその財源を確保するため、別の税制措置を組み合わせてきました。2002年度に導入された連結納税制度もその一つです。当時、法人税の減税につながる制度を導入する一方で、どのように財源を確保したのでしょうか。消費減税の決定を受け、『食料品消費税1% 減税×給付付き税額控除の真実』を緊急出版した矢内一好氏が解説します。

減税分を埋めるために講じられた措置

当時の報道によると、立法側は、連結納税制度の導入が見込まれる法人グループにアンケートを実施し、この制度を選択するかどうかを問い合わせたとされています。その結果を受けて、2002年度税制改正大綱が作成されています。

 

減税の推計額は平年度ベースで7,980億円でした。その財源として、連結付加税1,030億円、連結子会社の欠損金持込制限480億円、加入子法人等の適用時期の特例2,110億円、受取配当益金不算入の見直し820億円、退職給与引当金制度の廃止3,240億円、旧特別修繕引当金制度の廃止110億円が挙げられています。これらを合計すると7,790億円となり、財源不足は190億円でした。

 

減税額自体が推計値であることを考えると、ほぼ減税分の財源を調達できたということでしょう。

減税する法人と増税となる法人が生まれた

連結納税制度を導入して減税となった法人がある一方、税制改正の結果として増税となった法人も出てきました。また、大手電機メーカーのグループが率先して連結納税制度を導入し、実践によって得たノウハウを売り出して利益を得たという話もあります。

 

今回の食料品の消費税減税は、赤字国債を発行しないという方針を明確にしているだけに、財源確保という点では退路が限られています。財政当局がどのように財源の辻褄を合わせるのか、お手並み拝見といったところです。

 

 

矢内 一好

国際課税研究所

首席研究員

 

 

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