基礎控除額1,500万ドル
米国の相続税・贈与税には、「Basic Exclusion Amount(基礎控除額)」と呼ばれる仕組みがある。日本の相続税の基礎控除とは制度が異なるものの、一定額までの財産移転を課税対象から除外するための重要な基準である。
2026年に死亡した人について、この基礎控除額は1,500万ドル。2025年の1,399万ドルから101万ドル引き上げられた。1ドル=150円で換算すると約22億5,000万円となる。
生前贈与と相続で1つの枠を使う
米国の基礎控除額で重要なのは、相続だけでなく、生前に行った一定の贈与にも使われる点である。
たとえば、基礎控除額が1,500万ドルの人が生前に1,000万ドルの課税対象となる贈与を行えば、残る基礎控除額は単純化すると500万ドルとなる。つまり、「生前贈与で1,500万ドル、死亡時にも1,500万ドル」というように、それぞれ別々に利用できるわけではない。
年間1万9,000ドルの贈与枠は別
米国には「Annual Exclusion(年間除外額)」という別の制度もある。2026年は1人の受贈者につき年間1万9,000ドル。一定の要件を満たす贈与であれば、この範囲については生涯の基礎控除額を使わずに贈与できる。
つまり、
1,500万ドル=生涯ベースの基礎控除額
1万9,000ドル=年間の贈与に対する除外額
であり、両者は別の制度だ。
夫婦なら未使用分を引き継げる場合も
米国には「Portability(ポータビリティ)」という制度があり、先に亡くなった配偶者が使わなかった基礎控除額を、一定の手続きを経て残された配偶者が引き継げる場合がある。
ただし、自動的に移転するわけではなく、原則として亡くなった配偶者の遺産についてForm 706を提出し、ポータビリティを選択する必要がある。
日本人にも関係する
米国の相続税は、米国市民や居住者だけの問題ではない。日本人など米国市民ではない非居住者が亡くなった場合でも、米国に所在する不動産や一定の有価証券などが連邦相続税の対象となる場合がある。
ただし、非居住者・非米国市民に、米国市民・居住者と同じ1,500万ドルの基礎控除額がそのまま適用されるとは限らない。租税条約などによって扱いが変わる場合もある。
2026年の1,500万ドルという金額だけを見ると、日本の相続税の基礎控除とは大きな差がある。しかし、米国の基礎控除額は、生前贈与と相続を通じて利用する生涯ベースの枠であり、日本の基礎控除と単純に比較できるものではない。
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