黒字と赤字をグループ内で相殺
「連結納税制度」とは、親会社と子会社など完全支配関係にある企業グループについて、グループ内の黒字と赤字を通算して法人税を計算する制度です。2002年度に創設され(適用開始は2003年3月期から)、2022年4月以降に始まる事業年度からは「グループ通算制度」に移行しています。
法人税は、通常は会社ごとに計算します。親会社が10億円の黒字、子会社が5億円の赤字だったとしても、原則として親会社の黒字と子会社の赤字をそのまま相殺することはできません。
連結納税制度では、一定の条件のもとでグループ内の黒字と赤字を通算できました。たとえば先ほどの例では、10億円の黒字と5億円の赤字を相殺し、グループ全体の所得を5億円として法人税を計算できました。
なぜ企業にメリットがある?
会社の赤字は「欠損金」として翌期以降に繰り越し、将来の黒字と相殺するのが基本ですが、連結納税制度では、グループ内に黒字の会社と赤字の会社があれば、一定の条件のもとで同じ事業年度の黒字と赤字を通算できました。
そのため、企業グループ全体でみた法人税の負担を軽減できる場合がありました。
2022年に「グループ通算制度」
連結納税制度はその後、制度が見直され、2022年4月以降に始まる事業年度から「グループ通算制度」に移行しています。現在も、企業グループ内の黒字と赤字を通算するという基本的な考え方は引き継がれています。
大きな違いは、連結納税制度では親会社がグループ全体の所得をまとめて申告・納税するのが基本だったのに対し、グループ通算制度では各法人がそれぞれ申告・納税する点です。
導入時には「減税の財源」も課題に
連結納税制度の導入時には、平年度ベースで7,980億円の減収(初年度は5,680億円)が見込まれました。
その一方で、2年間の時限措置としての連結付加税(税率2%の上乗せ)の創設や、受取配当の益金不算入割合の引下げ(80%から50%)、退職給与引当金制度の廃止など、複数の税制措置が講じられ、減収分の財源確保が図られました。
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