総会招集請求を成功させるために…事実と根拠に基づく適正な手続きを
規約には招集請求の要件や期限が書かれていても、請求書や署名簿の作り方、議案書の取りまとめなど、具体的な手順がすべて示されているわけではない。
日常的な手続きではないため、専門家によっても実務経験には差がある。招集請求を支援した経験のあるマンション管理士や弁護士に相談することも有効だ。
組合員側は、決議を求める内容と提案理由を書面にまとめ、同意を得た内容や提出資料の控えを残しておきたい。開催通知が届いたら、請求した趣旨が正確に反映されているかを確認する。疑問があれば、相手の意図を決めつけず、「どの規約に基づく取扱いなのか」と事実と根拠を尋ねることが大切だ。
管理会社の契約相手は理事長個人ではなく、管理組合である。意見が対立するときほど、専門家として公正な手続きを支える対応が求められる。
総会招集請求は、少数の問題提起を、組合員全体で話し合う場につなげる制度だ。その権利を尊重し、異なる意見にも耳を傾けることが、管理組合の自治と信頼を守る。
松本 洋
松本マンション管理士事務所代表
