セカンドハウスを購入する際には、物件の選び方だけでなく、誰の名義で所有するかも検討する必要があります。個人で所有する場合と法人で所有する場合では、経費の扱いや役員が利用するときの課税関係、相続・事業承継時の資産評価などに違いがあるためです。ここでは、官公庁の資料をもとに、セカンドハウスをめぐる主な税務上のポイントを整理します。

個人所有と法人所有で異なる税務上の扱い

セカンドハウスを取得するとき、まず検討したいのが「個人で購入するか、法人で購入するか」という点です。

 

個人の所得税は、課税所得に応じて5%から45%までの7段階の税率が設定されています。これに対して法人税は、法人の種類や所得金額などによって税率が異なるため、「個人より法人のほうが税率が低い」と単純に比較することはできません。

 

また、法人名義で不動産を取得したからといって、関連する支出をすべて法人の損金にできるわけでもありません。建物については減価償却の対象となる一方、実際の税務上の取り扱いは、その不動産が法人の事業とどのような関係にあるのか、どのように利用されているのかなどによって変わります。

 

とくに注意したいのが、会社が所有する住宅を役員が利用するケースです。

 

国税庁によれば、会社が役員に社宅を貸与する場合、役員から一定額の「賃貸料相当額」を受け取っていれば、原則としてその住宅の貸与による経済的利益は給与として課税されません。一方、無償で貸与した場合や、賃貸料相当額より低い家賃しか受け取っていない場合には、その差額などが給与として課税されることがあります。

 

賃貸料相当額は、住宅の床面積などによって計算方法が異なります。たとえば小規模な住宅については、建物や敷地の固定資産税の課税標準額、床面積などをもとに算定します。なお、一定の広さを超える住宅や、一般的な社宅とはいえない設備を備えた住宅については、別の取り扱いとなる場合があります。

 

つまり、「法人名義にすればセカンドハウスを安く利用できる」と考えるのではなく、会社が取得した住宅を誰が、どのような目的で、どの程度利用するのかを整理する必要があります。

 

福利厚生施設として利用する場合も同様です。社員が利用できる施設として会社が取得・運営しているのか、それとも実質的に特定の役員のための住宅になっているのかによって、税務上の論点は変わります。

 

さらに、セカンドハウスを仕事にも利用する場合には、実際の利用状況を説明できるようにしておくことが重要です。単に「サテライトオフィスとして使う」と説明するだけでなく、実際に業務で使用していることが分かる記録などを残しておくほうが、税務上の説明はしやすくなります。

 

なお、個人で所有する場合も、セカンドハウスだからといって住宅に関する税制が一律に適用されないわけではありません。たとえば住宅ローン控除には「主として居住の用に供すると認められる住宅であること」などの要件があります。複数の住宅を所有している場合についても、主として居住する住宅であることが要件として示されています。

 

名義を決める段階では、購入価格だけでなく、利用実態や将来の売却、役員への貸与なども含めて考える必要があります。

 

 

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(参考資料)
国税庁「No.2260 所得税の税率」、「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」、「No.2600 役員に社宅などを貸したとき」、「No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき」、「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」、「No.4602 土地家屋の評価」、「No.4638 取引相場のない株式の評価」、「財産評価基本通達 第8章第1節 株式及び出資」

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