(※写真はイメージです/PIXTA)

インターネットに接続できれば、仕事をする場所は選ばない…。そのような業態のフリーランス、経営者であれば、海外に目を向けてみるのもお勧めです。ここでは、タイ版のノマドビザである「DTV」と、タイの税制について平易に解説します。※本記事は、OWL Investmentsのマネージング・ディレクターの小峰孝史弁護士が監修、OWL Investmentsが執筆・編集したものです。2026年9月22日現在の情報に基づいています。

タイの所得税は「タイ国内源泉所得」か「タイ国外源泉所得」かで大きく異なる

では、タイ在住のフリーランスとして得た報酬には、税金がかかるでしょうか?

 

現行のタイの税法(タイ税法典41条)によると、タイ国内で得られた所得(タイ国内源泉所得)についてはタイの所得税が課されますが、タイの国外で得た所得(タイ国外源泉所得)のうち、タイに持ち込まれていないものには所得税は課されません。

「デジタルノマド」が「タイ国外から受領する報酬」は、「タイ国内源泉所得」か「タイ国外源泉所得」か?

では、DTVを使ってタイに居住している人が、タイ国外企業から委託されて仕事を行い、タイ国外企業から得た報酬は、タイ国内源泉所得・タイ国外源泉所得のどちらに当たるのでしょうか?

 

受託業務を作業している人はタイ居住者で、業務委託者はタイ国外の企業ですから、判断しづらいところです。この点、タイの法令には明確な記載がないようです。

 

そして、会計事務所・コンサルティング会社などの英語ウェブサイトには、微妙な問題としつつ、タイ国外源泉所得に近いと考えられるとするものと、タイ国内源泉所得に近いとするものが混在しており、明確ではありません。

 

ただ、「所得の源泉地は、業務・活動・財産の所在地によって決まり、支払いが送金される場所ではない」という趣旨の記述をする会計事務所があり、これが正解に近いのではないかと考えます。

 

この記述に従うと「DTVを使ってタイに居住している人が、タイ国外企業から委託されて仕事を行い、タイ国外企業から得た報酬」は「タイ国内源泉所得に当たる」ことになります。

「タイ国外法人」で業務を受注すれば、タイの国内源泉所得には当たらない

この見解に従いつつ、税負担を抑える方法としては「タイ居住者が、自身が株主・取締役である法人をタイ国外に設立し、その法人で業務を受託する方法」が有効です。この場合、タイ国外法人は、その国の税制に沿って納税することになります。

 

では、タイ居住の株主・取締役は、タイ国外法人に入ったお金を、どうやって自分が得るかというと、下記の2つの方法が考えられます。

 

①取締役報酬として受け取る

②配当として受け取る

 

このうち、「①取締役報酬として受け取る」方法であれば、タイ居住者がリモートでタイ国外企業のために仕事をして報酬を得ているので、タイ国内源泉所得と見る余地があることは、前述のとおりです。

 

一方、「②配当として受け取る」方法であれば、タイで納税義務が発生しないことになります。

 

たとえば、低税率(法人所得200万香港ドル=約4,000万円まで税率8.25%)で使い勝手のよい香港に法人を設立し、その香港法人で報酬を受領する、という方法が考えられるでしょう。

 

こうしたストラクチャーを作ることにより、税額を抑えることができます(わかりやすくするために複雑な箇所を省略して説明しています)。

 

では、いくら以上の収入がある場合に、こうしたストラクチャーを作るメリットがあるかというと、一概に言いにくいのですが、約1,000万円以上の収入があるなら、考えてもよいでしょう。

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