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最大の変更点は、暗号資産にかかる税率の「大幅引き下げ」
これまで最高55.945%の総合課税の対象となってきた暗号資産取引ですが、暗号資産の分離課税導入を含む「所得税法等の一部を改正する法律」により、20.315%(所得税額×2.1%の復興特別所得税を含む)の申告分離課税が適用される、と言われています。
つまり、現行制度では、暗号資産の利益は原則として「雑所得」として総合課税の対象とされ、他の所得と合算した金額によっては最高55.945%となりますが、改正後は、「特定暗号資産」を国内取引所で売却した場合の税率が最高55.945%から一律20.315%の申告分離課税に引き下げられます。
では、いつから税率が変わるのでしょうか?
所得税法等の一部を改正する法律附則39条1項により、適用開始は「金商法改正の施行日の属する年の翌年1月1日」と規定されています。
金融商品取引法の改正法は2026年7月23日に公布され、暗号資産に係る規制見直しの施行日は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日とされています。もっとも、公布日が確定したことで、遅くとも2027年7月22日までには施行されることとなりました。
タイムスケジュール的に今年中の施行は難しいと見て、2027年に施行される場合を考えると、適用開始日は2028年1月1日となります。
申告分離課税の対象は「特定暗号資産」の「暗号資産取引業者」との取引のみ
ただ、分離課税の対象になるのは、「特定暗号資産」に限られています。
ここで、「特定暗号資産」とあるのは、「その名称が金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産」(大まかに言うと、日本の取引所に上場している暗号資産)を指します。
また、特定暗号資産の売却であっても、分離課税が適用されるのは、①暗号資産取引業者への売却を委託する取引、②暗号資産取引業者に対する譲渡(業者との相対取引)に限られます。
逆に、申告分離課税の対象から除外されると見られるのは以下です。
①非特定暗号資産の所得(簡単に言えば、日本の取引所に上場していない暗号資産の取引)
②特定暗号資産の譲渡所得であっても、日本の暗号資産取引業者を通じないで譲渡する取引(つまり、分散型取引所(DEX)での売却、海外取引所での売却、個人間の直接譲渡など)
③譲渡以外での所得(ステーキングなど)
これらの所得は分離課税の対象から除外される可能性が高いと思われます。また、③については、今回の法改正で議論の対象にもなっていない、つまり、未定であるとも考えられます。
なお、毎年12月に、暗号資産による所得への課税に関する解説「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」を、国税庁が公表しています※1。
※1 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(2025年12月公表)(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025012-067.pdf)
今回の改正を踏まえた「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」が公表されるのを待ちたいと思います。

