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Bybit「日本居住者向けサービス段階的終了」の背景
世界第2位の暗号資産取引所Bybit(バイビット)は1月22日、日本居住者を対象としたサービスの提供を段階的に終了すると発表しました。
同社の発表によると、日本居住者の口座は、3月23日12時から「クローズオンリー」モードに移行し、新規ポジションの構築や追加ができなくなり、資産変換と仮想通貨の出金を除く全商品が利用できなくなります。そして「7月22日12時にすべての未決済ポジションが強制決済される」とのことです。
今回の措置は、日本の金融庁による海外暗号資産取引所への規制強化が背景にあります。Bybit(バイビット)は海外の取引所であるため、直接的な措置をとることはできませんが、金融庁は、過去3回(2021年5月、2023年3月、2024年11月)にわたり警告を発しています。
金融庁が締め出す海外暗号資産交換業者は「詐欺的業者」なのか
もちろん、金融庁が海外の暗号資産交換業者を取り締まっている事案では、詐欺的な業者を取り締まっているという事案もあるでしょう。
しかし、必ずしもそればかりではありません。むしろ、取引ツールの使いやすさ、銘柄数と流動性、有望なトークンがスピーディに上場しているか否か、スプレッド等の点で、日本国内の取引所よりも海外取引所を愛用している日本の投資家も多いところ、そうした海外取引所まで、取り締まられているのが現実です。
銀行の場合、日本居住であっても海外に渡航して銀行口座を開いている方もいます。その一方で、Bybit(バイビット)のような暗号資産取引所の場合、日本居住者に対するサービス提供は認められていないのでしょうか?
日本居住者に対して行えないのは「勧誘」か、「サービス提供」か
資金決済法63条の22は「登録を受けていない外国暗号資産交換業者は、国内にある者に対して、暗号資産交換業に係る勧誘をすることができない」と定めています。
この条文を読むと、Bybit(バイビット)などの外国の暗号資産取引所は、日本居住者向けに「勧誘」することはできないが、日本居住者が自発的に取引を依頼してきた場合に、取引をすることはできるという定めのようです。
では、どういう行為が「勧誘」に当たるのかというと、法律ではなく、ガイドライン(暗号資産事務ガイドラインII-5-2)に、日本国内にある者に向けた「勧誘」には該当しないものが規定されています。
具体的には、(i)日本国内にある者が当該サービスの対象とされていない旨の文言(担保文言)が明記されており、 (ii)日本国内にある者との間の暗号資産交換業に係る取引を防止するための措置(取引防止措置)が講じられているなど、日本国内にある者との間の暗号資産交換業に係る取引につながらないような合理的な措置が講じられている限り、日本国内にある者に向けた「勧誘」には該当しないものとされています。
法律(資金決済法63条の22)は、「勧誘がなければ取引も可能」と読むのが自然である一方、ガイドラインでは「日本居住者との取引防止措置が必要」と定めていることは、いささか理解しにくいのですが、この定めを受け入れるしかありません。
では、こうした日本の法律・ガイドラインを前提にしつつ、日本の暗号資産投資家が海外の暗号資産取引所を利用したいという場合、どうすればよいのでしょうか。これには2つの対応策が考えられそうです。
①「海外居住者」として海外の暗号資産取引所を使う
まず、1つ目の方法は、海外の居住者として海外の暗号資産取引所を使っていく方法です。日本国籍を持っている人が一律に海外の暗号資産取引所を使えないわけではなく、「日本居住者にはサービス提供をしない」というだけですので、日本人であっても、日本以外の国・地域の居住者であれば、海外の暗号資産取引所の口座開設をする・既存口座を使っていくことはできます。
「海外居住者になる」というと、もの凄くハードルが高いように感じる人もいるかもしれませんが、ある国・地域の長期ビザを取得して、その国・地域に住所を持つだけで「居住者」になることができます。
アメリカやイギリスのビザを取って移住するのは大変、という話を聞いたことのある人も多いでしょうが、簡単にビザ取得をできる国もあるのです。
たとえばタイの場合、DTV(Destination Thailand Visa)は、50万バーツ(約250万円)以上の貯金がある人なら、かなり簡単にビザを取得できます。筆者の会社もDTVの取得をサポートしていますが、申請からわずか1~2週間でビザを取得できている方がほとんどです。
このように、海外の居住権(ビザ)を取得し、家を借りるなどして住所が決まれば、日本人であっても「海外居住者」として海外の暗号資産取引所の口座開設をすることができます。
②海外法人の名義で、海外暗号資産取引所の口座を開設
会社(法人)は人ではありませんが、法律上は「人」であるというフィクションにより、資産を持ったり契約を結んだりできる存在になっています。
したがって、Aさんが、自分を株主・取締役として「株式会社A」を設立した場合、事実上は、Aさんと「株式会社A」はほとんど同一であっても、法律上は、自分とは別の主体ということになります。
そして、その会社が、日本の株式会社ではなく海外に設立された場合、日本の法律ではなく、その設立国の法律が適用されることになります。海外の暗号資産取引所としては、その法人が口座開設を求めてきたのを断る理由もなく、こうした法人による口座開設は認められるのです。
このようにして、海外法人名義でBinance(バイナンス)やBybit(バイビット)などを利用することもできますし、いわゆる「bot(ボット)」を利用して自動売買をすることもできるのです。
ここまでくると、まさに、海外に自分専用の「ひとりクリプトファンド」を設立したに等しいといえるでしょう。
小峰 孝史
OWL Investments
マネージング・ディレクター・弁護士
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