(※写真はイメージです/PIXTA)

身近な人が突然「刑事事件の被疑者」となったら、誰でも慌てるのではないでしょうか。そのような状況下、解決の手助けをしたくても、専門知識を持たない人が自己判断で動くと、逆に取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。そこで、実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」へよせられた質問をもとに、刑事事件における対応や起訴・不起訴の判断基準について、上野仁平弁護士に解説していただきました。

被疑者のサポートのつもりが、逆に被疑者を窮地に追い込む場合も

今回のケースのように、友人が突然、刑事事件の被疑者になったと聞けば、「何かしたい」と考えるのは自然なことです。しかし、刑事事件では、良かれと思って行った行動がかえって本人に不利に働くこともあります。

 

友人としてサポートする場合には、次の5つを意識しましょう。

 

1. 被害者へ勝手に連絡しない

被害者の電話番号やLINEなどを知っていたとしても、本人や友人の判断だけで連絡することは避けた方がよいでしょう。謝罪や示談のつもりであっても、被害者からすれば「圧力をかけられた」「口止めをされた」と感じる可能性があります。特に脅迫や暴行、性犯罪など、被害者が被疑者に恐怖心を抱いている可能性のある事件では、慎重な対応が必要です。

 

友人が本人に代わって被害者へ連絡することも、基本的には避けるべきです。 示談を希望する場合には、弁護士を通じて進めるのが安全です。

 

2. 取調べについて安易なアドバイスをしない

「正直に全部話せば大丈夫」「反省していると言えば不起訴になる」といったアドバイスを安易にすることは避けましょう。罪を認めている事件では反省態度が重要になることがありますが、事実関係を争う事件では対応が全く異なります。また、供述調書についても、内容に納得できなければ訂正を求めたり、署名・押印を拒否したりすることができます。

 

友人が取調べへの対応に悩んでいる場合には、周囲の経験談などをもとに判断するのではなく、慎重に対応することが重要です。

 

3. 事件についてSNSなどで発信しない

友人を心配するあまり、SNSなどで事件について発信したり、周囲の人に詳しい事情を話したりすることも避けましょう。事件について不用意に発信すると、被害者との関係をさらに悪化させたり、捜査や示談交渉に影響を与えたりする可能性があります。また、本人から聞いた事件の内容や捜査状況についても、必要以上に第三者へ広めないことが大切です。

 

4. 本人の生活や再犯防止をサポートする

友人だからこそできるサポートもあります。

 

例えば、不安を抱えている本人の話を聞く、家族との連絡を取り持つ、仕事や日常生活を維持できるよう手助けするといった支援が考えられます。

 

また、事件の背景に本人が改善すべき問題がある場合には、その原因を一緒に考え、再び同じことを起こさないための環境を整えることも重要です。

 

事件によっては、こうした具体的な再犯防止への取り組みが、検察官が処分を判断する際の事情として考慮されることもあります。

 

5. できるだけ早く弁護士への相談を勧める

そして、本人だけでは判断が難しい場合には、できるだけ早く弁護士へ相談することを勧めましょう。刑事事件では、取調べで何を話すのか、供述調書に署名・押印するのか、被害者との示談をどのように進めるのかなど、事件の早い段階から重要な判断を求められることがあります。特に、事実関係に争いがある事件では、初期の供述がその後の捜査や裁判に影響する可能性もあります。

 

逮捕されていない在宅事件であっても、「警察から呼出しを受けた」「被害者との示談を考えている」といった段階から相談することができます。友人が代わりに事件を解決しようとするのではなく、本人が適切な対応を選択できるよう支え、必要なタイミングで刑事事件に詳しい弁護士につなぐことも、友人としてできる重要なサポートの一つです。

 

 

上野 仁平

JIN国際刑事法律事務所

弁護士

 

 

 

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