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契約書なしの業務委託、一方的に契約解除できるか?
会社を経営する相談者は、個人事業主と契約書を交わさずに業務を委託しています。しかし、受託者が事前の合意内容を守らず、無断欠勤や身勝手なスケジュール変更を繰り返したため、会社としての信用が低下するなど業務に支障をきたしています。
相談者は契約解除を希望して本人と連絡を取っていますが、相手から謝罪はありません。さらに、業務態度について指摘すると「パワハラ」「名誉毀損」などと反発されるため、強く指導できずに困惑しています。
下請法などの法的知識が不足していることもあり、契約書がない口約束の状態で、会社側から一方的に契約を解除できるのかどうか悩んでいます。
そこで、ココナラ法律相談「法律Q&A」に次の4点について相談しました。
(1)契約書を交わしていない場合でも、一方的に契約を解除できるのか。
(2)業務態度を指摘することは「パワハラ」や「名誉毀損」に該当するのか。
(3)下請法やフリーランス法は、本件にどう影響してくるのか。
(4)今後、同様のトラブルを未然に防ぐためには何をすべきか。
契約書がなくても、解除は可能
本件のように、企業が行う取引であっても、契約書が作成されないことは珍しくありません。
このような場合であっても、契約は、原則として当事者の合意だけで成立し、書面は成立の要件ではないため(民法522条2項)、契約は有効に成立します。
そのため、口約束であっても契約が成立している以上、民法その他の法令に定められた解除に関するルールがそのまま適用されます。
本件については、個人事業主に対して業務を委託しているとのことですので、民法に定められた契約類型のうち準委任契約(民法656条)が成立したものと考えられます。
そして、準委任契約については、各当事者はいつでも契約を解除できると定められていますので(同法651条1項)、同条項を根拠に、契約を解除することが可能と思われます(但し、相手方に不利な時期の解除は損害賠償の対象になり得ます〈同条2項1号〉)。また、本件では、無断欠勤や一方的なスケジュール変更が繰り返されているということですので、債務不履行を理由に契約を解除すること(同法541条)も考えられるでしょう。
なお、上記の通り、契約は口頭でも成立しますので、口頭あるいは電子メールやLINE等のやり取りで契約条件について合意していた場合、その内容が契約条件になる可能性があります。そのため、契約解除に関して何らかの合意が成立していた場合には、その条件に従うことになる可能性がありますので、相手方との過去のやり取り等を見返すことが重要です。
以上が民法に従った処理になりますが、実際に解除を行う前には取適法(旧・下請法)・フリーランス法の適用に注意が必要ですので、次にこの点について述べます。

