(※写真はイメージです/PIXTA)

お盆や夏休みに、離れて暮らす子どもや孫の帰省を楽しみにしている人もいるでしょう。一方、家族が数日滞在すれば、普段より食費が増え、外食やレジャーに出かける機会も生まれます。一つひとつは大きな金額でなくても、合計すると想像以上の出費になることがあります。

「来年から全部出すのはやめよう」夫が妻に切り出したこと

9月に入り、久美子さん夫婦は今年の夏に使ったお金を改めて確認しました。すると隆さんが、「来年から全部出すのはやめようか」と切り出しました。

 

久美子さんは一瞬、戸惑ったといいます。

 

「最初は、孫が来るのに節約するのも寂しいなと思ったんです」

 

そこで夫婦が決めたのは、帰省そのものを減らすことではありません。

 

外食をするなら毎回夫婦が6人分を負担するのではなく、息子夫婦と分ける。レジャーも同様です。孫へのお小遣いは渡しても、それとは別に欲しい物を次々買うことはしない。食事も高価なものばかり用意せず、普段の献立を混ぜることにしました。

 

内閣府『令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)』では、60歳以上の25.2%が子や孫の生活費の全部または一部を負担しています。また、今後優先的にお金を使いたいものとして「子や孫のための支出」を挙げた人は25.8%でした。子や孫への支出を重視する高齢者は一定数います。

 

一方、同調査で「無理なく生活するために必要」と考える1ヵ月の生活費は平均24万8,000円でした。家賃や住宅ローンを含まない金額です。

 

久美子さん夫婦の年金月26万円は、日々の生活に使える金額として極端に少ないわけではありません。しかし、帰省や旅行、住宅の修繕といった臨時の支出まで毎月の年金だけでまかなえるとは限りません。

 

「貯金はこういうときに使うものだと思っています。でも、孫が来るたびに『全部おじいちゃんとおばあちゃんが出すよ』を続ける必要はないですよね」

 

今年の夏も、孫たちが帰る前には「冬休みにまた来るね」と言ってくれました。

 

以前なら、その言葉を聞いた瞬間から、次は何を食べさせよう、どこへ連れて行こうと考えていた久美子さん。今は少し違います。

 

「次は家で鍋でもいいかなって夫と話しています。来てくれることがうれしいんだから、毎回お金をたくさん使わなくてもいいんですよね」

 

夫婦が見直したのは、子どもや孫との時間ではなく、そのたびに自分たちが多くを負担することでした。

 

年に数回だからと繰り返してきた出費も、老後が長くなれば積み重なります。夏休みが終わった9月、久美子さん夫婦は初めて、次の帰省を迎える前に「どこまで出すのか」を決めることにしました。

 

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