「今年も静かになるのかな」78歳女性が思い出す昨年の連休
昨年の大型連休にも、親しくしている住人の多くが子どもや孫の家へ出かけました。普段は数人が座っているラウンジに誰もいない時間があり、エレベーターでもほとんど人と会いません。
もちろん、マンションから全員がいなくなったわけではありません。フロントにはスタッフがおり、自宅で連休を過ごしている住人もいました。
それでも、いつも顔を合わせる人がいないだけで、久美子さんには館内がずいぶん静かに感じられたそうです。
3日目、長女から電話がかかってきました。
「何してるの?」
「何も。テレビ見たり、買い物に行ったり」
長女一家は夫の実家へ出かけていました。
「じゃあ、帰ったらまたご飯でも食べよう」
そう言ってくれた娘に、「うん」と答えました。
久美子さんは当時を振り返り、「娘が来てくれないことだけが寂しかったわけじゃないんです」と話します。
「普段なら誰かに会って、ちょっと話しているでしょう。それが急になくなって、こんなに静かなんだと思ったんですよね」
内閣府の同調査では、60歳以上の近所付き合いについて「会えば挨拶をする」と答えた人は約9割にのぼります。一方、「お茶や食事を一緒にする」は16.0%、「家事やちょっとした用事をしたり、してもらったりする」は5.3%でした。
挨拶や短い立ち話は、親しい友人との付き合いとは異なります。それでも、一人で暮らす人にとって、そうした日常的なやり取りが生活の一部になっている場合があります。
今年のシルバーウィークについて、長女からは「どこかで一度ご飯を食べようか」と連絡がありました。ただ、大学生の孫にはアルバイトがあり、家族全員の予定が合うかはまだ分かりません。
久美子さんも、娘一家に連休をすべて合わせてもらうつもりはありません。
「向こうには向こうの生活がありますから。私の予定がないからって、来てもらうのも違うでしょう」
その一方で、昨年と同じように何日も部屋で過ごすことは避けたいと考えています。
マンションに残る予定の顔なじみとは、「どこかでお昼でも食べようか」と話しています。近所で開かれる催しについても調べ始めました。
「今年も静かになるのかなとは思います。でも、だったら自分でも予定を作らないとね」
シニアマンションに住むことで、日常的に人と顔を合わせる機会が増えることはあります。ただ、そこで暮らす人にもそれぞれ家族や友人との予定があり、連休中まで普段と同じ環境が続くとは限りません。
間もなく始まるシルバーウィーク。久美子さんは、いつもの顔が少なくなる数日間をどう過ごすか、今年は少し早めに考え始めています。
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