長い介護生活でも、自分の人生を失わないために
親の介護が始まったとき、できるだけ自分で面倒を見たいと考える人は少なくないでしょう。親子関係が良好であればあるほど、「施設に入れるのは申し訳ない」「自分が面倒を見るべきだ」と考えてしまうこともあります。
しかし、介護は短期間で終わるとは限りません。生命保険文化センター「生命保険に関する全国調査(2人以上世帯)(2024年度)」によると、介護期間の平均は4年7ヵ月。10年以上にわたった人も14.8%に上り、介護が長期間にわたるケースも少なくありません。
しかし、すべてを自分だけで抱える必要はありません。要介護認定を受ければ、訪問介護や通所介護、ショートステイなどの介護保険サービスも利用できます。状態によっては、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどへの入所も選択肢になるでしょう。
また、親自身の年金や預貯金などで介護費用を賄うのが基本です。親側の費用が足りない場合には、子どもが援助するという方法もあります。ただ、親の介護費用を優先するあまり、子ども自身の生活や老後資金が圧迫されてしまうと、別の問題につながりかねません。
だからこそ、「親のためにいくら使えるのか」を、子ども自身の家計と照らし合わせて考えることが必要です。
由美子さん夫婦の場合は、約7,200万円の金融資産があったことで、介護費用についても余裕を持って考えることができました。母のために使うお金と、自分たちの老後を楽しむためのお金。資産に余裕があったからこそ、その両方を見据えて「介護方針を切り替えよう」と判断できたのです。
すべての家庭が同じようにできるわけではありません。そのため、親の介護が始まる前から、親自身の資産や収入、利用できる介護サービスなどを確認しておく。そして、子ども側も「自分たちの老後資金をどこまでなら援助に回せるのか」を考えておくことが重要です。
介護や費用をめぐって家族の誰かが無理をしすぎないこと。それが、自分の人生を失わずに長い介護生活を乗り切るための、大切な視点だといえるでしょう。
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