「仕事で結果を出せばいい」は、わかっているけれど…
地方企業で営業職を務める西井さん(32歳・仮名)は、同い年の妻と2歳の子どもとの3人暮らし。年収は480万円。中堅社員として、そろそろ昇格も意識する時期になってきました。
そんな西井さんが頭を悩ませているのが、会社や部署内の「酒の席」です。
「僕、体質的にお酒が飲めないんです。だから、飲み会でもウーロン茶やコーラだけ。これ、会社員としては結構なビハインドだと思っていて……」
令和の時代、「飲み会に参加しないと評価が下がる」などという露骨な会社は少なくなりました。西井さんの会社もコンプライアンスには厳しく、飲酒を強要されることはありません。
だからこそ本人も、 「結局、仕事で圧倒的な成果を出せばいいんですよね。誰が見ても『西井は仕事ができる』となれば、飲めるかどうかなんて関係ないはず」 と頭では理解しています。しかし――。
「同じくらいの成果を出している人がいたら、最後に『こいつに任せたい』と思ってもらえるのは、普段から上司と飲みに行っている人なのかなって。だから、飲めなくても飲み会に行くんです」
「飲み会に行く=出世」ではない。それでも気になるワケ
株式会社ロイヤリティマーケティングの調査(2023年)では、「仕事関係の飲み会でお酒を飲む必要はない」と答えた人は20代で71.5%。一方で50代は61.0%。年代によって差がありますが、6~7割が「必要ない」と回答している一方で、3~4割は「必要だ」と回答しています。
「業務時間中って、ほとんど仕事の話しかしないじゃないですか。でも飲み会だと、家族の話とか趣味の話とか、そこから『実はこんな勉強をしている』とか、『あの仕事でこんな苦労をした』みたいな話になる。そうした何気ない会話を通して、上司が無意識に目をかけたり、仕事を任せたりすることってあると思うんです」
「酒が飲める人ほど出世する」という話ではありません。 ただ、評価するのも結局は人間。数字だけでは測れない「この人に任せたい」という感情が、完全になくなるわけでもないだろう、という考えです。
「飲めないことを気にするくらいなら仕事しろって話なんですけどね。わかってるんですよ。わかってるんですけど……」
西井さんは苦笑します。
