「今までありがとう。お金はもういらない」79歳父の訃報3日前に届いたメッセージ…毎月5万円を仕送りしていた47歳息子が、実家の片付けで“後悔の涙”を流さずにはいられなかった理由【FPが解説】

「今までありがとう。お金はもういらない」79歳父の訃報3日前に届いたメッセージ…毎月5万円を仕送りしていた47歳息子が、実家の片付けで“後悔の涙”を流さずにはいられなかった理由【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「高齢者世帯は年金だけでは赤字」というニュースを目にすると、離れて暮らす親の生活が心配になるものです。しかし、持ち家の有無や生活スタイルによって実際の収支は大きく異なり、統計上の平均と自分の親の家計が同じとは限りません。本記事では、Aさんの事例とともに、高齢親への金銭的支援について、波多FP事務所の波多勇気氏が解説します。※紹介する事例は、相談者より許可を得て、プライバシー保護の観点から相談者の個人情報および相談内容を一部変更して記事化しています。

実家で見つけた父の通帳

葬儀やさまざまな手続きが一段落し、Aさんは実家の片付けを始めました。そのなかで、父親が使っていた通帳や家計関係の書類も確認することに。そしてAさんは、思いもよらない事実を知ります。

 

「僕が送っていた5万円が、ほとんど残っていたんです」

 

父親の年金が振り込まれる口座とは別に、Aさんからの仕送りが入る口座がありました。そこには、Aさんが毎月振り込んできたお金が積み上がっていました。まったく使っていなかったわけではありません。家電の買い替えや家の修繕など、まとまった出費があったときには一部を使っていた様子です。

 

それでも、Aさんが想像していたように、「毎月の生活費に5万円を補填している」という状態ではありませんでした。

 

さらに実家からは、父親がつけていた簡単な家計簿も出てきました。年金、固定資産税、水道光熱費、食費、医療費……。一つひとつ確認すると、父親はかなり質素に暮らしていたようです。少なくとも日常生活については、年金の範囲内でおおむね成り立っていたことがわかりました。

 

Aさんはそこで初めて気づきます。

 

「親父は、別に5万円がないと生活できなかったわけじゃなかったんですよね」

 

父親の死をきっかけに、相続した資産を含めた今後の家計について、AさんはFPである筆者のもとを訪れました。相談のなかで、Aさんは何度もこう口にしました。

 

「なんで父は最初に『いらない』っていってくれなかったんでしょう」

 

亡くなった父親の本当の気持ちを確認することはできませんが、筆者はAさんにこう伝えました。

 

「最初にお父さまは『こんなことしなくていい』とおっしゃっていたんですよね」

 

Aさんはしばらく黙っていました。父親は、一度は断っていたのです。それでもAさんが「生活費に使ってよ」といったため、その後は受け取り続けた。もしかすると父親にとっては、息子からの仕送りを断らずに受け取ることも、一つの親孝行を受け入れる行為だったのかもしれません。あるいは、息子の気持ちを無下にしたくなかっただけなのかもしれません。真相はわかりません。

 

ただ一つ確かなのは、Aさんと父親が、「本当に毎月5万円が必要なのか」について、4年間一度も具体的に話したことがなかったということです。

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※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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