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リスク許容度は年齢だけでは決まらない
「30代なら70%を投資にまわす」「年金世代は債券中心に」という推奨プランをよく見かけませんか。本当にそれで良いのでしょうか。
私はこの考え方に違和感があります。すべてが年齢で決まるとは思えないからです。
例えば同じ65歳でも、
●Aさん:年金が月27万円 + 貯蓄が5,000万円
●Bさん:年金が月15万円 + 貯蓄が500万円
この2人に同じ資産配分を勧めるのは違和感があります。あなたも感覚的に違和感を持つのではないでしょうか。AさんとBさんは何かが違う。その「何か」とは「リスク許容度」です。「あなたはどれだけの金銭的な損失に耐えられるか」という考え方です。「損失に耐えられる」とは、
「損失が出ても冷静でいられるか」
「狼狽売りせずに保有し続けられるか」
「夜もぐっすり眠れるか」
ということです。「許容下落率」と言い換えることもできます。
リスク許容度が高い人(損失に耐えやすい人)は、一般的に次のような人たちと言われます。
●年齢が低い人:運用期間を長く取れるため、下落からの回復を待てるから
●資産のある人:大きな下落に直面しても生活に影響が少ないから
●収入のある人:下落時も追加投資で平均購入単価を下げられるから
●投資経験のある人:下落に慣れており、冷静に対応できるから
このような人たちは投資資産の割合を高めてもよいという考え方です。また、リスク許容度を計算で求めていく方法も提案されています。どちらも共感できる考え方です。
しかし私は、それぞれの人が持つ感情が、より大切だと考えています。理論上は「30%の下落に耐えられる」人でも、実際に資産が30%減ると、「もっと減るのでは……」「早く売らないと……」と、論理的な思考ができなくなる人がいます。感情に任せて行動してしまう人を、私は数多く見てきました。
「リスク許容度」がわからない人へ
それぞれの人の「リスク許容度」を判断することは容易ではありません。これから投資を始める人は、一気に投資資産の割合を増やさず、少しずつ積み上げていくとよいでしょう。
下落はいずれ必ずやってくるので、そのときの自分の感情と向き合いながら、自分が耐えられる下落幅を確認しつつ、投資資産の割合を決めていくとよいと思います。
私の経験では、自分のリスク許容度がわかるまでには10年以上かかります。なぜなら、本格的な下落(30~50%の下落)は10年に1度発生するかしないかだからです。その下落を実際に経験して、初めて「自分はこれくらいの下落まで耐えられる」とわかるのです。
自分のリスク許容度がわからない人は、一般的な、
「余裕資金のうち、(100 -年齢)[%]を投資にまわす」
という考え方を参考にするところからスタートしてもよいかもしれません。
例えば、
●30歳なら70%を投資資産、30%を元本保証資産
●50歳なら50%を投資資産、50%を元本保証資産
●70歳なら30%を投資資産、70%を元本保証資産
年齢だけで決めて良いわけではありませんが、出発点としては悪くないでしょう。
※ 本記事は書籍の内容を抜粋・掲載したものであり、最新の法令・制度とは異なる場合があります。実務にあたっては必ず最新の情報をご確認ください。
小林 篤典
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