帰宅後、通帳を眺めて「俺の40年って何だったんだ」
同窓会から帰宅した夜。 江波さんは久しぶりに自分の預金残高を確認しました。
約1,600万円。
江波さんは3歳下の妻と2人暮らし。60歳で定年を迎えた後、再雇用で勤務中。会社との契約はあと2年で終わる予定です。一方、65歳から受け取る予定の公的年金は、江波さん自身で月16万円ほど。妻が年金(月10万円ほどの見込み)を受け取り始めるまでの期間は、江波さん自身もアルバイトなどで働く必要があるかもしれない――。
「悠々自適なんて、夢のまた夢だな」
そう思うと、同窓会で聞いた田辺さんの話が、また頭に浮かびました。同じ大学を卒業し、同じように会社員として働いたはずの約40年。それなのに、60代になったいま、手元にある資産は大きく違います。
「人生って、こんなに差がつくものなのか」
自分も決して怠けてきたわけではありません。仕事もしてきたし、住宅ローンも返してきた。子どもの教育費も出してきました。
「別に、これまでの人生を後悔しているわけじゃない。でも……もう少し余裕が出るように、うまくやれていたらな」
そんな思いとともに、通帳を閉じました。
