銀行株は急落、その後に制度を修正
政府の方針が発表されると、イタリアの銀行株は急落しました。市場では、想定以上の税負担が銀行の収益や株主還元、さらには自己資本に与える影響が警戒されたためです。
政府はこうした市場の反応を受け、制度を修正しました。当初案よりも課税額を抑えるとともに、銀行が一定の利益を資本として積み立てる場合には、税負担を軽減できる仕組みが設けられました。
その結果、超過利潤に対する課税という政策目的を維持しながら、銀行の自己資本を強化する方向にも制度が調整されることになりました。
銀行の利益が金利上昇によって大きく増えた場合、その利益をどこまで「超過利潤」とみなし、どのように課税するのか。イタリアの事例は、金融機関への課税を考えるうえで興味深いケースといえるでしょう。
日本でも金利上昇によって銀行の収益環境が変化しています。イタリアの経験は、銀行の好業績を単純に「儲けすぎ」と捉えて課税するだけでなく、金融機関の健全性や市場への影響、税収の使途まで含めて制度を設計する必要があることを示しています。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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