国税と地方税、イタリアの税制はどうなっている?
イタリアには20の州があり、税制は国税と地方税に大きく分けられます。
法人については、国税である法人所得税のほか、地方税にあたる州生産活動税(IRAP)、付加価値税(VAT)、登録税などが課されます。また、2020年1月にはデジタルサービス税(DST)が導入され、一定のデジタルサービスを提供する企業が課税対象となっています。
個人については、所得税のほか、相続税などが課されます。
法人の税務上の居住地を判定する基準については、近年見直しが行われています。2023年までは「主たる事業上の目的がイタリアにあること」が基準の一つとされていましたが、この基準は廃止されています。
このように、イタリアの税制は国と地方の双方から企業や個人に課税する仕組みとなっています。その一方で、地域経済の活性化を目的とした税制上の優遇措置も設けられています。
銀行の「超過利潤」に40%課税、イタリア政府の狙い
こうしたイタリアで、2023年8月に大きな議論を呼んだのが、銀行に対する超過利潤税です。
当時、欧州ではインフレ抑制のため各国の中央銀行が大幅な利上げを進めていました。金利の上昇は、銀行にとって貸出金利と預金金利の差である利ざやの拡大につながり、収益を押し上げる要因となります。
イタリアでも銀行が記録的な好業績を上げるなか、政府はその利益の一部を「超過利潤」と捉え、銀行に対して一時的な課税を行う方針を打ち出しました。
当初の政府案では、銀行の純金利収入などを基準として、40%の税率を適用する仕組みが示されました。税収は、住宅ローン利用者への支援などに充てることが想定されていました。
銀行の利益が金利上昇によって急増したとはいえ、その利益に対して一律に高い税率を課すことには、金融市場から強い反発が出ました。
