前日に銘柄を注文、翌朝には反対売買し売り抜ける
私は証券会社の人間でしたが、率直に申し上げて株式は、買うのは簡単ですが売るのが難しいものです。証券会社では、長期保有を薦めますがそれは間違いです。日経平均の安い時期に割安に購入できていればそれでもいいですが、そういう機会はなかなかありません。
株は毎日売買するもので、それは毎日市場が変化しているので当然です。毎日売買するつもりがないなら取引はしない方がいいでしょう。
私は証券会社に勤めていた時にトレーダーのための株の売買システムの開発をしていましたが、証券会社を退職して、初めてデイトレードがOKになりました。転職後の大手損保会社の仕事は9時~21時までどっぷり忙しい中でしたが、塾オーナーを続け、シェアウェア(有料の便利アプリ)を会社の裏に借りたマンションで開発を続けながらも、日夜デイトレードに挑戦しました。
といっても、私がしていたのは前日に15分かけて銘柄を注文し、翌日の朝にはすぐに反対売買し売抜ける手口です。そのメソッドを今回初公開しますが、それは、低位株のデイトレードです。私は+2円の利ざやを追う取引をしていたのですが、その理由は手数料があるので1円だとあまり儲からないからです。
低位株とは一般に額面100円未満の、1日の動きが1~5円の動きしかしない市場から取り残された銘柄です。しかし、元手100万円で50円額面の株を+1円で2万株売れれば、100万円は翌日102万円になります。私は+2円、毎日4万円の利ざやを追っていました。
万一、動きが少ない時は、売らずに、5日以内に+2円で登録して遅れて売ることによって、100%ではないですが大きく損することを避けることができました。
銘柄を決めるに際し、まずは低位株ランキング表を検索し、出来高はほどほどで乱高下しない比較的安定した、できれば東証一部の銘柄を決めます。HPや会社情報から、そこそこ黒字で配当もあることも確認しましょう。
「2円トレード」の具体的なメソッド
[図表1] 低位株 一覧 ランキング※2016/05/19
[図表1]を見て、私は三菱製紙に目をつけ、次に、直近1カ月の始値、高値、安値、終値表をヤフーファイナンスから作成しました。
[図表2]から、終値の最小値は79円で、もし79円で買えれば5日間以内に2円以上で売却できることがわかります。
終値最小値79円を発見し、79円より+2円のある日数を数えます。
実に18日中15日が高値81円以上で最高値は84円です。
つまり、過去18日中、2円トレードを終値で前日指値して、翌日買えたら+2円以上で売指示をしていれば、+2円が5日できるので、2円×20000株×5日−手数料×5日=200000円−手数料分の利益が出ることになります。手数料は証券会社により異なりますが手数料が割安なネット証券での取引をお勧めします。
[図表2]
①5月19日の夜の時点から、79円で指値を入れて79円で買える日を待ちます。79円×20000株なので158万円+手数料が必要になります。会社へ行くと9時になりますので、始業と共に買えたか携帯からのシグナルを待ちます。もし、買えたら即時81円で売れるように反対売買の指示を設定しておきます。
②上記を1カ月間、機械的に繰り返します。2円以上は期待しませんが、証券会社の配慮で、売値が上がることもままあります。
しかし時々この一番大事な数値=最低値79円が動くことがあります、あがると79円で買えない、下がると81円で売れないので、ここは毎日上記の表のエクセルを更新して適正な最低値を見出し、利幅の2円は変えず時には78円で買い80円で売るなどの措置が重要です。
③この方法だと、5月2日と11日は、株価の下がり局面ですが、利益をあげることができます。
大切なことは、5月2日の例のように売れない時に、無理をして売るのではなく、週末まで81円を待つことです。
このメソッドは、勝率が高いので、さほど損切りするようなことはありませんが保証はありません。ブラックマンデーや欧州危機などの大きな外乱が入りそうな時は買持ちしないで一度休みましょう。
もしくは、当面、買値に戻らなくても、配当受取り時期を待っても利益の出ている低位株なら配当性向は高く、潰れることはない銘柄を選んでいます。
以上が私のお勧めする株式投資メソッドです。
FXの取引で先読みは難しい
もちろん低位株でない、安定株でやる方法もありますが、インデックスに敏感で変動しやすいのと、株価が高いので元手が多く必要になるため、少額な元本では買えません。理想は株価が50円くらいの銘柄で実行できればラッキーです。
1年を通じてやっていると時々、世界経済が不安定な時期がくることもありますが、その時は売買をお休みするのが得策です。
これは、(終値−高値)トレードとも言えますが、市場が停止している時間に翌日の高値を予想する手法です。
市場は平日の15時でクローズし翌日の朝9時から始まりますので、朝一番のTVニュースと朝刊を見聞した上で、開始時刻の9時前に指値をどうするか最終判断されることは重要です。
いずれにしても、株式投資の醍醐味を味わい世界経済の動きも意識できるスリルとサスペンスが味わえます。なにせ、反対売買は9時の始業時に行うので、毎日の朝のスタートがドラマチックになります。
過去のデータ分析は、毎週1回1時間程度費やし、毎日の売買は機械的に自動に行うことができるメソッドです。
FXは購入単位が1円なので、1年の値上がり幅での利ざやが大きく稼げるように見えます。それは正しいのですが、非常に不安定で先読みは1分1秒を見ている為替ディーラーですらできません。
紹介している株式の2円トレードは、FXよりも、静かに動きリスク分析やシミュレーションがしやすいものと言えます。
FXはサラリーマンのワークタイムでは相場を追えないので、難しい面が多いです。株式の2円トレードも、リスクはあるわけですが多少ルーズに安心してできる方法なのでお薦めしているわけです。
また、金融商品は投資金額を100万までと決めるなどして、万一の悲劇的な損失を回避して下さい。
私はあり金全部を投資することや、先物、信用取引などの投機的取引は決してお薦めしません。プロのトレーダーも勝ち続けられない世界なのだということを知っておいていただきたいです。