ローンの頭金は10~30%が一般的
中古アパート事業は、オーナー経営の最も基本的なモデルであり、これをやるかやらないかは、あなた自身の裁量と少しの勇気にかかっています。ただ覚えておいてほしいのは、不動産のローンは、自分のお金で支払うのではなく居住者のお金で支払うものだということです。
もう1つ重要なことは、いざアパートを買おうという時に、買えるだけの信用を銀行から得て、ローンを組めるかということにあり、これは本命のアパートが見つかる前に審査しておくべきです。
サラリーマンであれば、アパート事業は副業になり、資産形成の冠たる教科書のようなものです。ですから、ほとんどの方はアパートローンの融資対象になるはずです。しかし、自営業者だけにしてしまうとなかなか融資を受けることはままなりません。
もちろん銀行により異なりますが、頭金は10~30%必要になるのが一般的です。しかし、銀行とのつきあい(定期預金の有無や投資信託などの残高)の度合いにより、購入するアパートの資産評価が高いものであれば、全額ローンで購入することも可能です。
また、逆の言い方をすると、アパートを買えるような信用がある財務基盤を持っているように振る舞うことも大事です。
ですから、一度は購入できるかのシミュレーションをされることが、「あなたの人生資産管理台帳」を考える上で重要なことになります。
資産形成後、50歳でリタイアした友人の例
私には、証券会社に長年勤務する友人がおり、彼にアパート購入の有効性を説いたことがあります。しばらく彼は私の様子をみていましたが、すぐに茨城、南船橋、東武練馬とまたたく間に3棟のアパートを取得し、1億5千万円の資産形成と、15%の利回り、同額の生命保険を得るようになりました。これにより、年間2250万円の収益を得、全額ローンですので返済後の粗利益は20年ローンで1350万円になります。
さらに、彼は3棟の後、1億5千万円の鉄筋コンクリートの1棟売りマンションを三鷹に購入しました。利回りは9%になるまで粘り、私の述べたアパート収益と返済ローンの差額が50%になるポイントである30年のローンで物件を取得したのです。9%だと、売上は、年間1350万円になり、ローン返済後の粗利益は、650万円になります。
彼は49歳の時、たった3年で3億の資産形成と、年間2000万円のキャッシュ、さらに返済ローンを貯蓄とみなすならば合計3600万円の賃料収入を得るにいたりました。
彼は、50歳になってすぐに、会社の早期退職制度に乗り、リタイアしてハワイに移住しました。
不動産購入は、10件は物件を見て、5件は指値を入れて、多少納得いかなくても高利回りで買うことが重要です。
繰り返しますが、なにより大切なことは、不動産は単なる投資ではなく、アパートという名前の会社のオーナーになることなのです。
世の中を切り抜けてゆくために、事業用不動産のオーナーになる裁量と度胸をもつことは、ノーマンとして生きる「安定した基盤=よりどころ」として、人生資産管理台帳になくてはならないものです。