争点:「相続放棄した配偶者」の特例上の扱い
この裁決で争われたのは以下になります。
長く別居し、相続放棄もしている配偶者は、この特例の適用上「被相続人の配偶者」という扱いに含まれるのか。
◆税務署の主張
税務署は、法律上の婚姻関係にある者は配偶者として扱うべきであり、相続放棄をしたかどうかは関係がないと主張しました。
相続放棄は、その相続について相続人としての地位を失わせるだけであり、婚姻関係そのものを消滅させるものではありません。
したがって、相続放棄をしても法律上の婚姻関係が残っている以上、その人はなお「配偶者」であるという考え方です。
◆Aさんの主張
これに対しAさんは、特例の適用にあたり、40年以上も別居し、相続放棄までしているような人まで「配偶者」として扱う必要はないと反論しました。
Aさんは、配偶者がいる場合に別居親族の特例を適用できないのは、配偶者の生活や居住を優先して保護しようという考え方が背景にあると考えました。
その考え方に基づくと、40年以上その家で暮らしていない配偶者についても同様に扱う必要があるのか、というわけです。

