アパートローンとは
一方、同じ不動産に対する融資であってもアパートローンについては、どのような違いがあるのでしょうか。
アパートローンは住宅ローンと異なり「事業性融資」です。事業性融資とは個人事業主や法人が事業のために調達する設備資金や運転資金などが該当します。
不動産事業に対する融資であるため、金利も住宅ローンに比べて高くなることが一般的です。また、購入する不動産の「収支」および「保全」の観点から厳しく審査を行うため、融資承認を得るまでには一定の時間を要します。
収支とは何か
「収支」とは購入する不動産から得られる収入で返済が可能か否かを検討するものです。実際の収入に対して各金融機関が独自に設けている掛け目(例えば収入に対して7割)を入れ、かつ実際に融資する金利とは異なる想定金利(例えば4.0%)であっても返済可能か否かを検討します。
その結果、「収支」がプラスとなる水準が不動産価格の60%であったとすれば、40%の自己資金を求めるといった形になります。
「保全」(担保評価)とは何か
「保全」については、借入人がローン返済に窮し売却によって金融機関がローンの回収を企図する場合(担保評価)を想定しています。
一般的には、土地については相続税路線価や公示価格を基準として評価を行い、建物については各金融機関が定めている想定建築費から経年減価を控除して評価を行います。具体的に示すと以下の通りです。
土地:路線価500,000円/㎡ × 土地面積100㎡ × 個別格差(土地形状など)95%=500,000×100×95%=47,500,000円
建物:木造単価250,000円/㎡ × 建物延べ床面積200㎡ × (法定耐用年数22年-経年10年)/法定耐用年数22年(≒55%)= 250,000円×200×55%=27,500,000円
土地 47,500,000円 + 建物 27,500,000円 = 75,000,000円
このケースでは7,500万円を担保価値として見ていることになります。
融資額は「収支」と「保全」の低い方で決まる
先述した収支で求めた融資金額が6,000万円、保全で求めた融資金額が7,500万円であるとすれば金融機関の提示する融資金額は低い方の6,000万円となります。
仮に、不動産価格が1億円であったとすれば金融機関は6,000万円を融資し、残りの4,000万円については自己資金を求めることになります。
逆の場合も同様です。担保評価が7,500万円に対して収支が1億円であったとすれば、金融機関は7,500万円まで融資を行います。
金利が低かったひと昔前は「収支>保全」となるケースが多かったように思いますが、昨今では路線価の上昇や金利の上昇に対し家賃の上昇が遅れていることから「収支<保全」となるようなケースも散見されます。
小俣 年穂
ティー・コンサル株式会社 代表取締役
不動産鑑定士
ファイナンシャル・プランニング技能士 1級
宅地建物取引士
【関連記事】
■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
【注目のセミナー情報】
【事業投資】8月22日(土)オンライン開催
ドバイ発「ダイヤモンド事業投資」の最新事情
原石から製品まで一貫管理の独自スキームを公開
【海外不動産投資】8月30日(日)会場開催
大和ハウス工業が事業参画!
米国・ウエストニューヨーク「分譲マンション」の全貌

