「何かしてあげなきゃ」をやめてみると…
孫に悪気がないことは分かっていました。そそれでも洋子さんは、「毎回どこかへ連れて行ったり、欲しいものを買ったりしなくても、孫は遊びに来てくれるのだろうか」と考えるようになりました。
数日後、美香さんにその話をしました。
「私、毎回どこかに連れて行かなきゃいけないと思ってたのかもしれない」
すると、美香さんは驚きました。
「そんなことしなくていいよ。私も、お母さんが好きでやってるんだと思ってた」
そこで洋子さんは、孫が来るたびに特別な予定を用意することをやめました。
外食は毎回ではなく、家で昼食を作る日も設けます。映画や遊園地へ行くなら、娘一家と相談して費用を分担。何でもない日にお小遣いを渡すこともやめました。
最初のころ、孫から「今日はどこにも行かないの?」と聞かれたこともあります。
「今日は行かないよ。一緒にホットケーキでも作ろう」
孫は少し不満そうでしたが、しばらくすると家での過ごし方にも慣れていきました。
下の孫とは一緒に料理をし、上の孫は洋子さんの家でもゲームや動画を楽しんでいます。以前ほど頻繁ではありませんが、ときには洋子さんから「今度映画でも観に行く?」と誘うこともあります。
洋子さんは、孫への支出をすべて家計簿につけてみました。
以前は誕生日や入学祝いとは別に、外食やレジャー、お小遣いなどで年間30万円近く使っていた年もありました。現在は「お祝い」と普段の交流を分けて考えています。
「誕生日なら欲しいものを買ってあげたい。でも、会うたびにお金を使わなくてもいいんですよね」
成長すれば友人や習い事の予定も増え、祖母の家で過ごす時間が減ることもあるでしょう。洋子さんも、それを引き止めようとはしなくなりました。
「『つまんない』と言われたときは悲しかったです。でも、あのひと言がなかったら、今も来るたびに何か買ってあげていたかもしれません」
子や孫のためにお金を使うこと自体が問題なのではありません。ただ、喜んでもらうための支出が習慣になると、それをやめることに不安を感じる場合があります。
洋子さんの家では今も、孫が来れば少し多めにお菓子を買います。それでも、「何をしてあげるか」ばかり考えていたころより、普段どおりに孫を迎えられるようになったといいます。
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