(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもや孫のためなら、お金を使うことを惜しまないという人もいるでしょう。ただ、誕生日や進学祝い、外食代などが重なれば、年金生活の家計への影響も大きくなります。家族との時間を大切にしたいという気持ちから、いつの間にか援助を続けること自体が習慣になっている場合もあります。

「今回は自分たちで払って」援助をやめて気づいたこと

数日後、由美子さんは健太さんに電話をしました。

 

「旅行には行かないことにする。それと、これからは大きなお金は出せないから」

 

健太さんは驚きました。

 

「何かあったの?」

 

「何もないよ。でも、これから自分に必要なお金も残しておきたいの」

 

由美子さんは、それまでの支出を責めるつもりはありませんでした。ただ、孫のためならと使い続けてきた結果、自分の住まいや将来に使うお金まで後回しにしかけていたことが気になったのです。

 

その後、息子一家からの連絡は少し減りました。以前なら月に2、3回は食事に誘われていましたが、数ヵ月に一度になることもあります。

 

由美子さん自身も、最初は気になりました。

 

「お金を出さなくなったから、誘われなくなったのかなと思ったこともあります」

 

ただ、孫が成長して休日に習い事や友達との予定が増えたこともあり、援助をやめたことだけが原因なのかは分かりません。由美子さんは、息子一家から連絡が来るのを待つこともやめました。

 

以前から興味があった市民講座に申し込み、そこで知り合った友人と月に一度、日帰りで出かけています。浴室のリフォームも予定どおり行いました。

 

「孫に使っていたお金を全部自分に使おうと思ったわけではありません。ただ、自分が何をしたいかを先に考えるようになりました」

 

孫の誕生日には今もプレゼントを贈ります。ただし予算を決め、高額なものを頼まれた場合は、息子夫婦にも負担してもらいます。外食でも、毎回由美子さんが支払うことはなくなりました。

 

内閣府の同調査では、「自分や配偶者あるいはパートナーの医療・介護の費用」を優先的にお金を使いたい項目として挙げた人は47.5%、「趣味やレジャー(旅行等)の費用」は32.4%でした。高齢期のお金には、家族への支援だけでなく、自分自身の健康や暮らしに備える役割もあります。

 

家族への支出を減らすことが、そのまま家族との関係を遠ざけるとは限りません。一方、会う機会を失いたくないという気持ちから、無理な援助を続ける必要もありません。

 

由美子さんは、孫との関係を断ったわけではなく、お金を介さずに付き合える形へ少しずつ変えています。自分の暮らしを優先する時間が増えたことで、家族と会う日も、以前より気負わず楽しめるようになりました。

 

【関連記事】

■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録