(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもや孫の生活を助けたいという親心から、毎月の仕送りや高額なプレゼントを続ける人もいます。しかし、援助する側には純粋な善意でも、受け取る側が負担や干渉を感じることがあります。金銭的な支援が大きくなるほど、親子の間で期待や遠慮が生まれやすいため、目的や期間を事前に話し合うことが大切です。

「援助を受けたら断れない」長男が黙っていた理由

「お金をもらっているから、お母さんの希望を断りづらかったんだ」

 

浩平さんによると、由美子さんは孫の習い事や休日の過ごし方について、頻繁に意見を伝えていました。

 

「せっかくお金を送っているのだから、英語を習わせたら」

 

「その服より、私が贈った服を着せて」

 

「今月はまだ孫の写真が届いていない」

 

由美子さんに命令しているつもりはありませんでした。しかし、長男夫婦にとっては、仕送りを受け取るたびに「要望に応えなければならない」という気持ちが強くなっていたのです。

 

「会わせたくないわけじゃない。でも、お母さんが来ると、子どもたちが喜んでいるか、贈った物を使っているかをずっと確認するだろう。妻も気を使っている」

 

さらに、長男夫婦は半年前から仕送りを断ろうと話し合っていました。それでも、由美子さんが寂しがると思い、言い出せなかったといいます。

 

「孫の笑顔が見たかっただけなのに……」

 

そう答えながら、由美子さんは、孫のためにお金を使うことと、自分の期待に応えてもらうことを、いつの間にか結びつけていたのかもしれないと気づきました。

 

月9万円の仕送りは、年間では108万円です。国税庁によると、暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までに受けた贈与の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いて贈与税を計算します。ただし、扶養義務者から通常必要と認められる生活費や教育費として受け取り、その都度使う金銭は、贈与税がかからない場合があります。課税関係は金銭の目的や使い方などによって異なるため、継続的な援助では確認が必要です。

 

親子で話し合った結果、月9万円の仕送りは翌月で終了することになりました。ランドセルも返品し、後日、孫娘が両親と選んだ水色の商品を、由美子さんが入学祝いとして贈りました。

 

その際は代金を渡すだけにし、選ぶ過程には口を出しませんでした。

 

仕送りをやめてから、孫の写真が送られてくる回数は減りました。それでも由美子さんは、催促しないようにしています。

 

数ヵ月後、孫娘から水色のランドセルを背負った写真と、「おばあちゃん、ありがとう」という音声が届きました。

 

家族への援助は、生活を支える大きな助けになります。一方で、援助する側の期待と、受け取る側の負担が見えないまま積み重なると、金銭の問題が親子関係の問題へ変わることがあります。支援を始めるときは、金額だけでなく、目的や期間、互いに求めることを確認し、援助と家族の愛情を切り分けて考えることが重要です。

 

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