退職金の「年金受取り」なら60〜64歳までにもらい切る
退職金は控除額の大きい「一時金受取り」が税制面で有利です。一方で、一気に使いすぎてしまう危険もあります。そのため、分割で受け取る「年金受取り」を選択したい人もいることでしょう。
その場合、注意したい最大の点は、「公的年金」との関係です。年金受取りでも「公的年金等控除」を受けられますが、この控除は、退職年金と公的年金の合計額に対して適用されます。そのため、両方を合わせると税負担が増えるケースもあります。
こうした事態を防ぐための対策の1つが、受取時期をずらすこと。できれば公的年金が始まる前の60〜64歳までの期間に退職年金を受け取るように設定しましょう。こうすることで、「退職年金」と「給与」それぞれの控除枠を最大限に活かすことができ、税負担を抑えやすくなります。
「公的年金+退職年金」になると、納める社会保険料がアップ
また、国民健康保険や介護保険などの社会保険料についても所得に応じて計算されるため、公的年金を受給しながら退職金を年金で受け取ると、より多くの社会保険料を納めることになるのです。
図表4を見ると、年金収入が増えるほど、税金と社会保険料の負担額が大きくなり、手取り率が下がることがわかります。
さらに、注目すべきは毎年の所得が増えると、健康保険や高額療養費、介護サービス料の自己負担割合が高くなるという落とし穴があることです。例えば、要介護になったときの介護サービス料が1割負担でなく、2割、3割負担になってしまいます。
退職年金の税金はどう算出される?
退職金を年金形式で受け取る場合、公的年金の収入額と合算した年間合計額から税金の計算がスタートします。下図のように各種控除を段階的に差し引いて「課税総所得金額」を算出し、この最終的な金額を基準に所得税額が決定します。



