「来年は塾の送り迎えも…」負担増の予感に下した“決断”
体力面の負担も年々大きくなっています。朝から子どもたちの相手をし、公園へ出掛け、宿題を見て、お昼ご飯を用意する。夕方になる頃には夫婦とも、ぐったりです。
「孫はかわいいに決まっています。ですが、本音では“夏休みなんて来なきゃいいのに”と思う気持ちもありました」
しかし、そんな“毎年恒例、孫どっぷりの夏休み”は、今年で終わろうとしています。
きっかけは、長男夫婦から「来年は上の子も小学6年生。今年の冬から塾に入れる予定で、来年の今頃はみっちり夏期講習になるだろう」と言われたことでした。
和夫さんは、ここで区切りをつけないと塾の送り迎えまで自分たちの仕事になると瞬時に悟りました。これ以上の負担はもう無理だ――。
その場で「孫たちを毎日預かるのは今年まで。来年からは面倒見れないから、そのつもりで」と、きっぱり宣言したのです。
「残念な顔をされましたが、思い切って言ってよかった。今後もときどきは手伝いますが、子どもを育てるのは親の役目。私たちにも、やれることの限界があります。今年は最後だと思って、思い切り孫たちとの時間を楽しもうと思っています」
老後のお金は「余っている」とは限らない
内閣府「令和7年版高齢社会白書」(厚生労働省「国民生活基礎調査」をもとに作成)によると、高齢者世帯の平均所得は年間304.9万円となっています。年金を中心に生活している世帯も多く、決して経済的な余裕がある家庭ばかりではありません。
さらに近年は食料品や光熱費の値上がりも続いており、年金生活者ほど支出増加の影響を受けやすい状況です。そのため、「孫のためだから」と毎年数万円から十数万円の支出が続くと、将来の医療費や介護費用として準備していた資金を取り崩すことにもつながりかねません。
祖父母世代には、「子ども夫婦の役に立ちたい」という気持ちが強くあります。しかし、その優しさが積み重なることで、自分たちの生活が後回しになってしまうケースも少なくありません。
