1億円超の資産、人も羨む年金額。それでも「他人が羨ましい」
1億円を超える資産があり、平均よりずっと多い年金が振り込まれる。経済的には何一つ不自由のない「勝ち組」の老後です。しかし、松木さんは商店街で見かける70代や80代の店主を羨ましく思うようになっていました。
「何歳になっても居場所があり、人に喜んでもらえて、つながりがある。彼らが経済的に楽なのかはわからないけれど、『何をしていいかわからない』なんていう、情けない悩みとは無縁でしょうね」
会社員を終えたとき、自分には趣味も、会社以外の友人も、打ち込めるものも何一つ残っていないことに、65歳にして初めて気づかされたのでした。
「定年後」を生き抜くために本当に必要なもの
現在の松木さんは、ベランダで育て始めた観葉植物に水をやりながら、何か没頭できることを見つけられないかと、頭を悩ませているといいます。
老後資金の準備は完璧だった。現役時代も全力で駆け抜けた。 それなのになぜ、これほどまでに心が空虚なのか――。
老後資金1億円という数字は、暮らしの安心は買えても、人生の生きがいや孤独までは埋めてくれません。「仕事と肩書がなくなった自分は、どうやって生きるのか」。第二の人生の過ごし方は人それぞれですが、松木さんもまだ遅くはありません。たくさんの可能性のなかで、何を・いつ・どう始めるのかは、自分次第です。
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