「泊まりはやめて」…家族LINEで告知した72歳主婦
『今年の夏休みだけど、みんないっぺんに泊まりで来るのはナシにしてほしいな。日帰りなら大歓迎です』
6月下旬、信州地方で暮らす江藤よし子さん(仮名・72歳)は、意を決して3人の子どもたち(長女・長男・次女)が入っている「江藤家家族LINE」に送信しました。
メッセージを送信した直後、よし子さんはホッと胸を撫でおろす一方で、どこか申し訳ない気持ちに苛まれました。しかし、これ以上自分を偽ることはできなかったのです。
原因は、去年の夏休みに経験した“地獄の1週間”にありました。
まるで運動部の合宿…「孫バテ」で寝込んだ去年の夏
よし子さんは現在、夫と2人暮らし。月19万円ほどの年金ですが、普段は自分のペースで穏やかに暮らしています。しかし、毎年夏とお正月に訪れる「子ども3人+孫6人(幼稚園~中学生)」の大帰省だけは別でした。
帰省は「親戚が集まる一大イベント」であり、子どもたちは「孫を見せるのが親孝行」と信じて疑っていません。しかし、70歳を過ぎて体力が落ちたよし子さん夫婦にとっては、そうではなくなっていました。
せっかく来てくれると思うと、前もって買い出しをして、食事をつくるぐらいのことはしてあげたいもの。しかし、孫の成長とともに食べる量も増え、食費は跳ね上がりました。出迎えるために寝具も一式、洗濯機を回して準備。宿泊中は、普段使わない部屋も含めて家中のエアコンをフル稼働させ、翌月の電気代を見て青ざめました。
さらに、孫たちを連れていくテーマパークやプール代、外食代、お小遣い……。気づけばその月の出費は普段の数倍に膨らんでいました。
「おばあちゃん、おじいちゃん、また来るね!」……そういって彼らが帰っていった翌日、よし子さんは激しい倦怠感と熱っぽさで動けなくなり、丸3日間寝込んでしまったのです。「孫バテ」「孫貧乏」のダブルパンチでした。
「こんなに暑くなってしまった夏に、大所帯を受け入れて孫と遊んでお金を使って……もう、家族の集まりはお正月だけでもいいんじゃないかしら」
こうして、よし子さんは、家族LINEで「泊まりはNO。親孝行というなら、日帰りくらいで十分」ときっぱり伝えるに至ったのです。
