(※写真はイメージです/PIXTA)

老後資金を十分に準備してきたからこそ、「元気なうちに使おう」と考える人もいるでしょう。旅行や趣味を楽しむことは、退職後の大きな楽しみの一つです。ただ、まとまった貯蓄があっても、現役時代とは違い収入には限りがあります。支出のペースによっては、思った以上に資産が減ることもあります。

3回で400万円超…夫婦が見直した旅行のルール

孝志さんをさらに不安にさせたのは、旅行費だけではありませんでした。

 

退職後、「せっかく時間ができたのだから」と外食が増え、ゴルフにも以前より頻繁に行くようになっていました。由紀子さんとの国内旅行も合わせると、年間のレジャー費は現役時代より大幅に増えていました。

 

「働いていたころは、給料が入ってくるから使っても翌月また補充される感覚がありました。でも今は、まとまったお金が入ってくることは基本的にないんですよね」

 

そこで夫婦は、今後の旅行計画を一度すべて書き出しました。

 

70代前半までは年1回程度の海外旅行をしたい。国内旅行にも行きたい。自宅の設備交換もいずれ必要になり、将来は介護などにお金がかかる可能性もあります。

 

内閣府『令和7年版高齢社会白書』によると、世帯主が65歳以上の二人以上世帯の貯蓄現在高の中央値は1,604万円で、4,000万円以上を保有する世帯は18.8%です。孝志さん夫婦の6,300万円は比較的多い水準ですが、資産が多いからといって、どのようなペースで使っても問題がないわけではありません。

 

夫婦は旅行をやめたわけではありません。ただ、「海外旅行なら必ずビジネスクラス」という決め事は撤回しました。

 

飛行時間が長い路線ではビジネスクラスを選ぶ一方、比較的短い路線ではプレミアムエコノミーなども検討することに。旅行の年間予算も決め、その範囲ならホテルや食事にはお金を使うことにしました。

 

「一度上げた基準を、この先ずっと続ける前提にしていたのは違ったなと思います」

 

まとまった貯蓄があっても、退職後は収入と支出のバランスが現役時代とは変わります。趣味や旅行を楽しみながら、今後必要になる資金も含めて「年間でいくら使うか」を考えておくことが、長い老後を安心して過ごすうえで重要になります。

 

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