AIで確定申告はできるのか?Gemini・ChatGPT・Claudeを比較して見えた限界と可能性【国際税務の専門家が解説】

AIで確定申告はできるのか?Gemini・ChatGPT・Claudeを比較して見えた限界と可能性【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

生成AIは税務相談の強力なパートナーになりつつあります。しかし、「AIが納税者に代わって確定申告をする」ことは可能なのでしょうか。本稿では、Gemini、ChatGPT、Claudeの3つの生成AIを使って米国の確定申告を検証しました。その結果から見えてきたのは、AIの高い能力と同時に、専門家が果たすべき役割の重要性でした。『トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か——税制が映し出すアメリカの真実』の著書がある奥村眞吾税理士が詳しく解説します。

3つの生成AIに同じ質問をしてみた

そこで筆者は、Gemini、ChatGPT、Claudeの無料版に対し、「確定申告を行うために、まず何を準備すればよいか」という同じ質問を投げかけました。

 

3つのAIはいずれも、会社員であれば勤務先から交付される給与所得証明書「W-2」やフリーランスや副業収入、利子・配当などの所得がある人は各種所得を証明する「1099」など、収入を証明する基本的な書類の準備を案内しました。また、所得が一定額以下の納税者が利用できる無料電子申告サービス「IRS Free File」の存在についても紹介しています。

 

しかし、回答内容を詳しく比較すると、それぞれに特徴や得意分野があることが分かりました。

回答を比較すると見えてきた違い

最も詳細だったのはGeminiです。

 

Geminiは、電子申告を行う際には最新の政府発行IDが必要になることや、ソーシャルセキュリティ番号(SSN)が不可欠であることまで説明しました。

 

一方、ClaudeはIRS Free Fileの利用方法について比較的詳しく案内していました。ただし、ロスIRA(Roth Individual Retirement Account)については違いが見られました。ロスIRAとは、アメリカの個人向け老後資産形成制度の一つで、拠出時には所得控除を受けられないものの、一定の要件を満たせば運用益や将来の引き出しが非課税となる制度です。

 

Claudeは、ロスIRAへの拠出は税引後資金で行われるため所得税が軽減されないことには触れていましたが、高所得者には所得制限があり、一定以上の年収では拠出できなくなる点については説明していませんでした。この重要な点を指摘したのはGeminiだけでした。

 

このように、どのAIも一定水準以上の回答を返しますが、それぞれ説明の深さや得意分野には違いがあることが分かります。

次ページ便利でも万能ではないAI

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧