(※画像はイメージです/PIXTA)

6月の金市場はドル高や利下げ期待の後退で短期的な逆風となり、金ETFから53億ドルが流出し、価格も11.7%下落しました。一方で、世界の債務膨張、中国・新興国の強い実需、株式と債券の高い相関など、コロナ禍以降の長期的な追い風に変化はありません。本稿では、金価格を左右する主要要因を整理するとともに、7月の金相場と今後の見通しをみていきましょう。※なお、本稿はステート・ストリート・インベストメント・マネジメントの4名のストラテジストによる共同執筆です。

コロナ禍以降の「構造的な追い風」には変化なし

2024〜2025年に比べれば不安定な推移となっていますが、当社は金の上昇サイクルが続くと考えています。FRBがタカ派に転じたとしても、コロナ禍以降の金に対する構造的な追い風は変わらないはずです。

 

世界の債務残高は2026年上半期に、過去最高の353兆ドルに膨らみました。重要なのは、政府部門の債務が急速にその3分の1に近づき、これも過去最高という点です※6。積極的な財政運営とインフレ圧力は、金の通貨ヘッジ手段としての需要を引き続き支えるはずです。

 

株式と債券の相関度は、1990年代後半〜2021年までの約25年間に比べると依然として、高水準が続いています。2025〜2026年にかけて相関度はやや低下したものの、アセットアロケーション担当者にとって、流動性の高い分散投資需要は、今後も引き続き検討すべき重要項目であると予想されます※7

 

金の実需は底堅く、特に中国の個人投資家や、新興国中央銀行からの旺盛な需要に変化はありません。イラン紛争以降、中国の個人向け金輸入は急増し、国内プレミアムも上昇しています。これは、根本的に中国国内の金需給が逼迫していることを示唆しています※8

 

世界的なミューチュアルファンド(MF)およびETF資産に占める金の保有比率は、1%を下回っています※9。これは、当社がほとんどのポートフォリオで推奨する戦略的な目標比率の3〜10%を大きく下回っています。

今後半年~9ヵ月で金価格は「4,750〜5,500ドル」まで上昇か

当社は、今後6〜9ヵ月で金価格が1オンス当たり4,750〜5,500ドルまで上昇する可能性が高いとみています(基本シナリオ、確率70%)。一方で、短期的には弱気の逆風が強まっており、金価格が4,000〜4,750ドル前後にとどまる可能性も高まっています(確率25%)。

 

3,750〜4,000ドルには強固なサポートラインがあるとみていますが、5,500〜6,250ドルに達する可能性(強気シナリオ、確率5%)は、1〜2月のマクロ環境に比べると低くなっています。

 

[図表1]今月のチャート:北米、アジア、中国における金ファンドへの資金フロー
(2022~2026年上半期、単位:10億ドル)★1

 

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〈ご留意事項〉
本書は、投資の推奨や投資アドバイスを意図したものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。

本稿に示されている見解は2026年6月30日時点のSPDRゴールド戦略チームの見解であり、市場やその他の状況によって変わる場合があります。本資料には、将来の見通しと見なされる可能性のある記述が一部含まれています。その様な記述は、将来のパフォーマンスを保証するものではなく、実際の結果や展開はこれら予想とは大きく異なる場合がある点にご注意ください。

提供された情報は、投資助言に該当するものではなく、そのようなものとして依拠されるべきではありません。本情報は、有価証券の購入の勧誘または売却の申出とみなされるべきものではありません。本情報は、投資家の特定の投資目的、戦略、税務上の地位または投資期間を考慮したものではありません。ご自身の税務・財務アドバイザーにご相談ください。

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コモディティやコモディティ指数に連動した証券は、全体的な市場動向の変化や金利の変化、さらには天候、疾病、通商停止や政治的ないし規制的な展開、対象コモディティに係る投機者や裁定者の取引活動など、他の要因の影響を受けます。

コモディティへの投資は大きなリスクを伴うため、すべての投資家に適した投資対象ではありません。

過去の実績は、将来の投資成果を保証するものではありません。

本資料は、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが作成したものをステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が和訳したものです。内容については原文が優先されることをご了承下さい。

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7620090.16.1.APAC.RTL Exp date:7/31/2027

〈注記〉
※1 Source:Bloomberg Finance L.P., State Street Investment Management, as of 06/30/2026
※2 Source:Bloomberg Finance L.P., State Street Investment Management, as of 06/30/2026
※3 Source:ICE, State Street Investment Management, as of 06/30/2026
※4 Source:Bloomberg Finance L.P., State Street Investment Management, as of 06/30/2026
※5 Source:Bloomberg Finance L.P., as of 06/30/2026
※6 Source:IIF, State Street Investment Management, as of 03/31/2026
※7 Source:Bloomberg Finance L.P., State Street Investment Management, as of 06/30/2026
※8 Source:China Customs, LBMA, SGE, State Street Investment Management, as of 06/30/2026
※9 Source:Morningstar, State Street Investment Management, as of 05/31/2026
※10 Source:World Gold Council, State Street Investment Management, as of 06/27/2026
※11 Source:World Gold Council, State Street Investment Management, as of 06/27/2026
※12 Source:China Customs, State Street Investment Management, as of 05/31/2026
※13 Source:YouGov, World Gold Council, Central Bank Gold Reserves Survey 2026, as of 06/16/2026
※14 Source:YouGov, World Gold Council, Central Bank Gold Reserves Survey 2026, as of 06/16/2026
※15 Source:YouGov, World Gold Council, Central Bank Gold Reserves Survey 2026, as of 06/16/2026
※16 Source:YouGov, World Gold Council, Central Bank Gold Reserves Survey 2026, as of 06/16/2026
※17 Source:YouGov, World Gold Council, Central Bank Gold Reserves Survey 2026, as of 06/16/2026
※18 Source:Bloomberg Finance L.P., as of 06/30/2026
※19 Source:World Gold Council Global Demand Trends: Q1 2026, as of 04/29/2026
※20 Source:World Gold Council, as of 06/03/2026
※21 Source:World Gold Council, as of 06/12/2026
※22 Source:State Street Investment Management, as of 03/31/2026
※23 Source:Federal Reserve Z.1, U.S. Treasury TIC, Bloomberg Finance L.P., and State Street Investment Management, as of 06/30/2026
※24 Source:European Central Bank: The international role of the euro, as of 06/30/2026
※25 Source:World Gold Council Global Demand Trends: Q1 2026, as of 04/29/2026
※26 Source:YouGov, World Gold Council, Central Bank Gold Reserves Survey 2026, as of 06/16/2026
※27 Source:Bloomberg Finance L.P., State Street Investment Management, as of 06/30/2026

〈出所〉
★1 出所:ブルームバーグ・ファイナンス L.P.、ワールド ゴールド カウンシル、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント、2026年6月27日時点。記載されているパフォーマンスデータは過去のパフォーマンスです。過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。

★2 出所:ユーガブ、ワールド ゴールド カウンシル、中央銀行金準備サーベイ2026、2026年6月時点。

★3 出所:FRB 資金循環統計(Z.1)、米財務省 国際資本統計(TIC)、ブルームバーグ・フィナンシャル L.P.、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント、2026年3月30日時点

〈用語集〉
用語集
・中央銀行:一つの国または国家連合で用いられる通貨と信用の創造と分配を独立性を持って管理する金融機関

・COMEX:コモディティ(主に金、銀、銅、アルミニウム)の先物を取引する市場

・金のスポット価格:スポット市場における金の価格。国際的通貨コード「XAU」で表記される、1トロイオンス当たりの金価格。米ドル建て。

・実質金利:インフレ調整後の金利。物価上昇の影響を取り除くことで、真の借入れコストおよび投資による実際の利回りを反映します。

・ICEブレント:インターコンチネンタル取引所(ICE)で取引されるブレント原油先物で、国際的に取引される原油の主要なベンチマーク価格の一つです。

・レフトテール・ヘッジ:株式急落、政策ショック、通貨の不安定化など、極端に悪い市場結果(下振れ)からポートフォリオを守るためのポジション。金は、市場全体におよぶストレス局面における過去のパフォーマンスから、レフトテール・ヘッジとして位置づけられることが多いです。

・30日移動平均ボラティリティ:資産の過去30日間のリターンの年率換算標準偏差を測定、変動するリスクを示すため毎日更新されます。価格変動の激しさを定量し、値が高いほどリスクが大きいことを示します。

・ディベースメント(通貨価値の切り下げ):通常、インフレ、過剰な通貨発行、あるいは時間の経過とともに通貨の価値を弱める政策によって引き起こされる、通貨の実質価値または購買力の低下を指します。

・タカ派的な政策転換:中央銀行や政策当局のメッセージが金融引き締め方向へとシフトすることで、通常、政策金利の引き上げ、利下げ幅の縮小、あるいはインフレ抑制の強化を示唆します。

・代替不換通貨:主要な準備通貨(特に米ドル)の代替として使用される、非伝統的な不換通貨を指します。

・国際金融協会(IIF):銀行、資産運用会社、保険会社、政府系ファンド、ヘッジファンド、中央銀行やその他世界の金融機関を代表する国際的な金融業界団体です。IIFは各国政府、家計、企業、金融機関の債務水準を追跡する「グローバル債務モニター」で広く知られています。

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