可愛い孫を「全力応援」…多忙な娘夫婦を支えてきた“ばあば”
神奈川県に暮らす好美さん(69歳・仮名)は、夫との2人暮らし。 娘の瑞希さん(40歳・仮名)一家とは徒歩10分の距離に住み、頻繁に行き来をしていました。
というのも、瑞希さんは看護師、娘婿は消防士。ともにシフト勤務のため、土日も仕事になることが珍しくありません。小学1年生になる孫娘・結菜ちゃん(7歳)も好美さんに懐き、送り迎えや夕食づくり、休日の預かりまで、好美さんは喜んでフォローしていました。
結菜ちゃんが熱心に取り組んでいるのが、お稽古のバレエ。バレエ教室の送り迎えはもちろん、月謝、衣装代の一部まで負担し、それ以外に食費、プレゼント、お小遣いも含め、孫に使うお金は年間60万円を超えていました。それでも好美さんは苦になりません。「なんといっても、可愛い孫だもの」――その一心でした。
そんな結菜ちゃんのバレエの発表会が近づくと、好美さんは一段と張り切りました。本番用の花束を予約し、ビデオカメラを充電。しかし、娘夫婦は来られませんでした。娘は日勤。娘婿は当直勤務になったのです。
「仕方ない、仕事だから」。そう好美さんは考えていました。しかし、結菜ちゃんは朝から俯いたまま。
「ママとパパは? ばあばだけなの?」
「さっき言われたでしょ? 今日はお仕事なの。大丈夫、ばあばが2人の分も応援するからね!」
しかし、舞台が始まってからも、結菜ちゃんは踊る合間に何度も客席へ目を向けます。好美さんは懸命に手を振りました。ですが、その視線が探していたのは、自分ではないことがわかりました。
