氷河期ど真ん中、泥臭く働いてきた47歳
地方の小さな専門商社で働く坂井さん(仮名・47歳)は、まさに就職氷河期のど真ん中を生き抜いてきた一人です。大学卒業時の求人倍率は1倍を切るほどの最悪の時期。何十社と落ち続け、精神的にもボロボロになっていた大学4年生の冬、唯一手を差し伸べてくれたのが今の会社でした。
「どこにも必要とされていないと感じていた自分を、拾ってくれたありがたい会社。ずっと感謝してきました」
友人からも“真面目過ぎる”と言われていたほど、勤勉な坂井さん。自分が器用なタイプではないと知ってからこそ、坂井さんは配属された営業部で懸命に働きました。
基本給がなかなか上がらなくても、会社に恩返しをしなければという一心でサービス残業もいといません。休日には自主的に業界のリサーチをし、週明けの会議に向けた資料を作り込みます。妻と中学生の子どもを抱えながら、彼は泥臭く地道な仕事をしてきたのです。
その忠誠心を揺るがしたのが、昨年の春に入社してきた新卒社員の初任給を目にしたことでした。
新卒社員の初任給、自分との差額「3万円」の衝撃
「うちの会社、それまでの数年は新卒採用を見送っていたんです。でも、久々に3人も採用することになって。募集要項を見て驚きましたよ」
そこに書かれていた数字は、「月収23万円」。
坂井さんは、自分の給与明細を思い浮かべました。20数年身を粉にして働いてきた現在の月収は「26万円」。この間まで学生だった新人と、毎月の固定給がたったの3万円しか違いません。坂井さんの年収は430万円ほど。賞与を考慮すれば年収ベースでは差がありますが、それでも納得はいきませんでした。
「新卒にそれだけ出せるなら、その前に僕たち世代の年収を上げるべきです。もちろん若い子に罪はありませんよ。でも、改めて“いいように使われているんだ”と思い知らされて……頑張るだけ馬鹿みたいだと思ったんですよ」

