「管理職経験がないと、48歳では転職できない?」〈営業一筋25年・年収720万円〉書類選考で突きつけられた“市場評価”とキャリアの壁

「管理職経験がないと、48歳では転職できない?」〈営業一筋25年・年収720万円〉書類選考で突きつけられた“市場評価”とキャリアの壁
(※写真はイメージです/PIXTA)

営業成績を積み重ねてきた人でも、転職市場で同じように評価されるとは限りません。特に中高年になると個人の実績だけでなく、部下の育成や組織運営、予算管理といった経験を求められることがあります。社内で築いた評価と社外で通用する強みの違いに、転職活動を始めて初めて気づく人もいます。

内定を得るため見直したこと

転職活動を始めて3ヵ月が過ぎても、内定は得られませんでした。浩之さんは次第に、自分の25年間を否定されたような気持ちになりました。

 

「売上を作ってきたのに、肩書がないだけで…」

 

妻にそう漏らすと、意外な答えが返ってきました。

 

「肩書だけの問題なの? あなたが何をしてきたのか、相手に伝わっていないんじゃない?」

 

浩之さんは紹介会社の担当者に改めて相談し、職務経歴書を見直しました。従来の書類には、売上額や達成率ばかりを並べていました。しかし話を掘り下げると、別の経験も見えてきました。

 

新人に同行して商談の進め方を教えたこと、成績が低迷した後輩と訪問計画を組み直したこと、営業所内で顧客情報の共有方法を整えたこと。正式な管理職ではなくても、周囲の成果を支える役割は担っていました。

 

「管理職経験はありません。ただし、5人の若手社員に対する営業同行や案件相談を継続して担当し、提案書の標準化にも取り組みました」

 

次の面接では、役職がなかったことをごまかさず、担った役割と限界を分けて説明しました。

 

一方で、希望条件も見直しました。年収720万円以上にこだわらず、まずは営業の専門職として入社し、将来的にチームリーダーを目指せる会社まで対象を広げたのです。

 

その後、浩之さんは中堅企業から内定を得ました。提示された年収は680万円と現職を下回りましたが、役職は営業主任。半年後をめどに、若手3人の育成も任される予定です。

 

転職を決めるかどうか、浩之さんは家族と相談を続けています。

 

中高年の転職では、長年働いてきた事実だけでなく、その間にどのような課題を解決し、周囲へどんな影響を与えたかが問われます。足りない経験から目をそらさず、すでに持っている力を具体化すること。それが、キャリアの壁を越える最初の一歩になるのかもしれません。

 

 

 

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