狙われているのはインフルエンサーだけではない
今回の査察概要で重要なのは、インフルエンサーだけを狙ったということではない。
国税庁は、SNS等のソーシャルメディアを利用して活動するインフルエンサーやイラストレーターなど、多様な事業者の事案を告発したとしている。
対象は、YouTube、Instagram、TikTok、X、ライブ配信、オンライン講座、デジタルコンテンツ販売など、SNSを入り口とする幅広いビジネスに及ぶ。
その背景について、上田氏は国税当局の情報収集体制も変化していると指摘する。
「国税には電子商取引を専門に分析する部署があり、インターネット上の取引情報を日常的に収集・分析しています。SNSで活動する事業者だから見つからないということはなく、公開情報そのものが調査の端緒になることも少なくありません」
税務調査は、帳簿や請求書だけを見る時代ではなくなった。紙の証憑が残りにくい取引が増える一方で、決済履歴や送金記録、プラットフォーム上の取引情報など、デジタルデータは膨大に蓄積されている。
今回の査察概要が示したのは、「SNSだから見つからない」ということではない。ビジネスの形が変われば、税務調査の手法も変わるということだ。
デジタル経済が拡大するなか、国税当局も「紙」から「データ」へと調査手法を進化させている。SNSビジネスが特別視されているのではなく、デジタル社会に対応した新しい査察の時代が始まったと言えるだろう。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
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