「定年まで、しがみつかせていただきます」…年収600万円・大手勤務の32歳“ぶら下がり社員”。第一線のエリート同期を横目に「昇進に興味なし」のワケ

「定年まで、しがみつかせていただきます」…年収600万円・大手勤務の32歳“ぶら下がり社員”。第一線のエリート同期を横目に「昇進に興味なし」のワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

誰もが憧れる大手企業に入り、エリート街道を駆け上がる――そんな人生を夢見る人がいる一方で、「競争しない」という選択をする若手社員も増えつつあるといいます。大手メーカーに勤める佐々木さん(仮名・32歳)も、その一人。同期が昇進試験や海外赴任を目指すなか、第一線を諦めて、“省エネ社員”として働く道を選びました。その理由とは?

「仕事中心の人生」から「生活中心の人生」へ…価値観の変化

若い世代を中心に注目されている「Quiet Quitting(静かな退職)」。実際に退職するわけではなく、求められた業務はこなしながらも、それ以上の奉仕や過度な競争を避ける働き方を指します。

 

背景には、「仕事中心の人生」から「生活中心の人生」へという価値観の変化があります。責任ある仕事にやりがいを感じる人がいる一方で、長時間労働や精神的負担に苦しむ人も少なくありません。昇進・昇給よりもワークライフバランスや心身の健康を重視する人が増えているのです。

 

「昇進を目指さない」「会社にしがみつく」という言葉には、どこか否定的な響きがあります。しかし、安定した雇用や福利厚生を活用しながら、家計を堅実に管理し、資産形成を進めることは、一つの合理的な戦略ともいえます。

 

ただし、佐々木さんの生き方がノーリスクというわけでもありません。確かに日本では、正社員の解雇は簡単ではありません。業務命令に従って最低限の職務を果たしている社員を、「やる気がない」という理由だけで解雇することは難しいとされています。

 

しかし、それは会社の経営が安定していればの話。業績が悪化すれば、希望退職の募集や事業再編、グループ会社への出向、配置転換などが行われるケースも珍しくありません。「この人に残ってもらう理由は何か」が問われる場面は、いつかやってくるかもしれません。

 

また、会社が存続していても、周囲の同期が上司になり、後輩にも追い抜かれていくという現実。「あの人は最低限のことしかやらない」という冷ややかな視線。ある種の“鈍感さ”も必要です。

 

いずれにしても、大切なのは、自分にとって何が幸せなのかを見極めること。高い年収を目指して働く人生もあれば、収入はほどほどでも自由な時間を大切にする人生もあります。仕事に何を求めるのか、その答えは人それぞれ。「出世しない人生」を一概に失敗と決めつけることは、できない時代なのかもしれません。

 

 

 

 

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