「家が売れない」…抜け出せない悪循環
「それなら、駅近くのマンションに引っ越そう」
Cさんは住み替えを試みましたが、家が売れないのです。車前提の不便なエリアになってしまった物件は、今や買い手がつかず、不動産業者からは「二束三文にしかならない」と告げられました。
車はない、近くに店もない、でも引っ越すこともできない――。Cさん夫婦は「買い物難民」になりつつあると嘆いています。
「こんなに町が廃れてしまうなんてね。車があれば、隣町のスーパーまで10分で行けるのに……。免許を手放すべきじゃなかったのか、いや、もっと早く町に見切りをつけて引っ越せばよかったのか。色んな後悔がありますよ」
警察庁によると、令和7年の運転免許自主返納の件数は43万5,067件で、2年連続の増加しています。身体能力の衰えなどを自覚し、「周囲に迷惑をかける前に」と前向きに返納する人は少なくありません。しかし、「返納したときは大丈夫だったのに、地域のインフラが崩壊してしまった」という落とし穴も存在します。
今やネットショップという力強い味方も存在します。日用品はもちろん家具家電、食品などさまざまな物がオンラインで購入できる時代。生鮮食品は「配達エリアの壁」があるかもしれませんが、それさえクリアできれば、重たい買い物をする手間も省けます。
一方で、高齢者にとって買い物=歩く(軽い運動)の機会でもあります。ネットで買えるから外に出ないという生活は、足腰や認知機能の衰えを加速させかねません。そういう意味で、やはり直接買いに行ける店舗型のスーパーが近距離にあるというメリットは大きいでしょう。
とはいえ、30年後も廃れない街を完璧に見極めるのは不可能です。今「駅近で最高」と言われている場所ですら、数十年後にどうなっているかはわかりません。
だからこそ、町の変化に敏感になることや、「あれ?」と気づいたときに動けるフットワークの軽さも肝心です。高齢化や人口減少……街の衰退はある日突然起きるのではなく、じわじわと「小さなサイン」を出しているものです。買い手がつくうちに売り抜けるという決断力が、老後の生活を助けることになるかもしれません。
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